西東京バスが、今年も「寝過ごしバス」を運行する。8日、15日、22日の金曜日深夜。東京方面行きの上り最終列車出発後に、下り線でJR高尾駅に到着したいわゆる“寝過ごし客”を運ぶ専用バスで、今年で4年目を迎える。
中央線高尾駅の上り方面最終の出発は0時31分。寝過ごしバスはその約30分後、東京駅0時00分発~高尾駅0時55分着の中央特快最終電車に接続する形だ。高尾駅北口を1時05分に出発したバスは、八王子市内などを巡り、JR八王子駅に1時32分に到着する。
昨年は3日間で75人。1便で最大32人を運んだ。運賃は昼間の2倍。高尾駅~八王子駅まで880円だが、まさに人助けのバスだ。
高尾駅は東京都八王子市内にある。日帰り登山に利用される高尾山を間近にし、終電後に宿泊できる施設や早朝まで営業する店舗は、まったくないと言っても過言ではない。高尾駅から下りは無人駅が連なり山梨県大月駅と向かう。うっかり乗り過ごして着いた先は、孤立無援の終着駅で、まさに酔いも吹き飛ぶ。寝過ごしバスは、そんな時の強い味方になる。
寝過ごしバスが運ぶ先の八王子駅周辺には、宿泊施設が揃っている。格安に始発を待つことができるネットカフェもある。早朝まで営業する飲食店も揃っている。使った人だけがわかる特別なバスなのである。