JR東日本盛岡支社は12月22日、2018年度内の運行再開を目指して復旧工事が進められている、岩手県内の山田線海岸部(宮古~釜石間55.4km)の工事進ちょく状況を明らかにした。
これによると、現在、津波による浸水被害を受けた7つの駅と6つの主要な橋りょうで復旧工事が進められており、駅では、津軽石(つがるいし)駅(宮古市)や織笠駅(山田町)でホームの復旧が進んでいる。また、鵜住居(うのすまい)駅(釜石市)では軌道工事が完了し、今後はホームの復旧工事が始められる。
一方、吉里吉里(きりきり)~大槌間の大槌川橋りょうでは、河川護岸の復旧工事が行なわれており、完了後は橋りょう付近へのアプローチ部の工事を始めるとしている。
被災駅舎の復旧工事は、津軽石駅と織笠駅を皮切りに2018年4月から開始される予定で、翌5月からは磯鶏(そけい)駅(宮古市)、浪板(なみいた)海岸駅(大槌町)、鵜住居駅でも開始。これらの5駅は2018年8月までには工事が完了する予定となっている。
このうち、織笠駅、浪板海岸駅、鵜住居駅はJR東日本が駅舎を新設。自治体側は、陸中山田駅と大槌駅の駅舎新設を受け持つことになっている。
宮古~釜石間は、2011年3月に発生した東日本大震災による被災後、JR東日本から一時、バス高速輸送システム(BRT)による仮復旧の方針が示されたが、沿線自治体が反発。2015年2月には、復旧後の路線を三陸鉄道が承継することを条件に、JR東日本の支援による鉄道復旧が決まり、翌3月に復旧工事が始まっている。運行再開に際しては、宮古市内に2駅を新設する申請も認可されている。