最後のポールスター・コンプリートカー「ボルボS60ポールスター」[写真蔵]

自動車 ニューモデル 新型車
ボルボS60ポールスター
ボルボS60ポールスター 全 32 枚 拡大写真
ボルボの高性能コンプリートカー『S60/V60ポールスター』が、ついにファイナルモデルとなった。ボルボのモータースポーツ活動やカスタマイズ分野の公式パートナーであるポールスターが手がけた限定車で、「そのままでもサーキット走行が可能」なほどのスペックの持ち主だ。

ポールスターは今年、電動車ブランドとして独立することを発表しており、またS60/V60も近くモデルチェンジを迎えることから、ボルボのハイパワーなピュア・ガソリン車としてのコンプリートカーを手に入れる最後のチャンスとなりそうだ。

S60/V60ポールスターは、日本では2014年から導入。2014年は計90台、2015年は50台、2016年は100台を販売。今回、ファイナルモデルとなる2017年は計50台(S60:20台、V60:30台)のみの販売となる。価格はS60ポールスターが859万円、V90ポールスターが879万円。

S60/V60ポールスターの初期モデルは、3リットル直6エンジンを搭載していたが、2016年より2リットル4気筒ターボの新エンジンに変わった。排気量はダウンサイズしながらも出力は367psへと16psアップ、戦闘力を高めた。0-100km/h加速はS60で4.7秒を誇る。ベースモデルからは、エンジン、ターボ、シャシー、サスペンションなどあらゆる部分に手が加えられ、260もの専用パーツを新規に採用している。2017年モデルは、エンジン、車体含め、2016年モデルからスペックそのものに変化はない。しかし、ファイナルモデルにふさわしい装備が多数加えられているのが特徴だ。

新装備としては、フロントスポイラー下部、サイドシル下部、ドアミラーカバー、トランクスポイラーのエクステンション(S60のみ)にカーボンファイバーパーツが採用された。一見ふつうのボルボ車にしか見えない「羊の皮をかぶった狼」的エクステリアが従来モデルの特徴であったが、2017年モデルでは、控えめながらスポーティ色が押し出されている。

専用20インチアルミホイールにブラックの差し色が入り、より端正かつ立体的に。組み合わせられるミシュラン・パイロットスーパースポーツには、ノイズ低減機能が新採用となっている。ほか、エンドパイプの装着や、新シート表皮、ステッチの採用に加え、右側シートサイドに『90シリーズ』同様のスウェーデン国旗が奢られるなど、細かい部分にも手が加えられた。

ファイナルモデルは世界で1500台のみの限定販売となる。今回はじめてシリアルナンバーが入るのも、オーナーにとっては嬉しいポイントだ。フロントドアを開けたスカッフプレートに個体番号が割り振られ、乗り込む度に特別感を味わうことができるだろう。

最後に、これは従来モデルから採用されているものだが、実はS60/V60ポールスターには取扱説明書に書かれていない走行モード「SPORT+」というモードが存在する。もしかすると、従来モデルのオーナーでも知らない人が居るかもしれないので、その機能と起動方法をお伝えしよう。SPORT+モードでは、シフトポイントが4000rpm(2速以上)に、シフトスピードが高速化、カーブホールド&ファストオフがオンになるなど、スポーツ走行に最適化したパワートレイン・セッティングがおこなわれる。

操作は以下の通り。(1)停止状態で(2)ギアレバーを「Sモード」に倒す(3)パドルシフト右側の「+(プラス)」を引いたまま(4)ギアレバーを「ー(マイナス)」方向に2度倒す(5)メーターパネルの「S」マークが点灯すれば「SPORT+」に。これで完了だ。通常のSモードでもかなりハイパフォーマンスな走りが期待できるが、高速コーナリングを最速で駆け抜けるならこのSPORT+がおすすめだ。ただし、あっという間にレッドゾーンまで回るため、公道でその性能のすべてを味わうことは難しいだろう。

《宮崎壮人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツ『GLC』新型、インテリア先行公開…史上最大39.1インチディスプレイ採用
  2. 「本当に世に出るとは」車重わずか1トンで800馬力V12、「超アナログ」スーパーカー…新型車記事ランキング 8月
  3. ブルーインパルス、世界陸上東京大会で展示飛行へ 9月13日
  4. ホンダ『フリード』がニューレトロに!? ダムドが専用ボディキットのデザインを先行公開 発売は2025年冬
  5. 幻の「黒いカタナ」がサプライズ公開! 市販化の可能性は…? スズキ「カタナミーティング2025」次期モデルの展望も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る