【カワサキ Ninja250 試乗】死角のない高回転パワーとフットワーク…佐川健太郎

モーターサイクル 新型車
カワサキ Ninja250
カワサキ Ninja250 全 12 枚 拡大写真

来春から国内発売が決定している新型『Ninja250』の海外仕様モデルに先行試乗する機会を得た。

2008年にグローバルモデルとして登場したNinja250Rは、今日の250ccフルカウルスポーツブームのきっかけを作った立役者である。三代目となる今回の新型Ninja250は車体、エンジン、外装のすべてを新設計したフルチェンジモデルとなった。

ダウンドラフト吸気やスロットルバルブの大径化により大幅パワーアップされた水冷並列2気筒DOHC4バルブ249ccエンジンは、クラス最強となる最高出力39ps/12,500rpm、最大トルク2.4kg-m/10,000rpmを発生。スチール製トレリスフレームを刷新してロングスイングアームを採用、前後サスペンションやブレーキなども強化されている。

まず見た目がレーシーになった。ボディワークはより鋭角的なラインとなり、前後長が詰まって車高がややアップし、フルカウルはエッジが効いてコンパクト化しつつスクリーンは角度が立って防風効果も高められるなど、よりZX-10Rに近いイメージに。跨ってみると、従来型と比べてライポジはやや前傾が強く、ハンドルは若干低く絞られた感じ。特にニーグリップ部分のスリムさは単気筒並みと言っていい。

試乗会が行われたオートポリスはストレートも長く大きなRの高速コーナーも多いため、250だと常にほぼ全開という感じだ。Ninja250のエンジンはもともと高回転型だったが、新型ではさらに高回転での伸び切り感が出てきた。ちなみにホームストレートでは数周のトライだったにもかかわらず、ピーク14000rpmでのメーター読みで160km/hを示すなど俊足ぶりを発揮。

ハンドリングも250クラスらしい軽快感がある上に、ディメンション的にも進化したことで走りもよりスポーティに。具体的には従来モデルよりホイールベースが短くなり、スイングアームは逆に伸ばされたことで、クイックな旋回性と路面追従性を高めているのは明らか。加えてキャスター角が立てられたことで、ステアリング応答例も俊敏になっている。さらに車重も7kgも減量化されいているわけだから、これはもう別物のマシンと言っていいだろう。

従来型は車格もやや大柄で安定志向だったが、それが切れ味鋭いハンドリングに変貌した。そして、車体が大幅にシェイプされたおかげで自在感が増して、以前にも増してマシンを振り回せるようになっている。それでいて、剛性感のあるシャーシとしなやかな前後サスペンションが、しっかりと路面をとらえてくれている安心感もある。一点、OEタイヤはバイアスなので、サーキット走行の場合は高性能タイヤにリプレイスするとさらに攻めた走りができるだろう。

また、ストリートでも小回りの利く軽量な車体と足着きの良さ、前傾し過ぎないライポジなどにより、街乗りからツーリングまで幅広く使えるはずだ。よりパワフルに軽快でカッコ良くなった新型Ninja250。来春の国内発売も含めて楽しみだ。


■5つ星評価
パワーソース:★★★★
ハンドリング:★★★★★
扱いやすさ:★★★★★
快適性:★★★★
オススメ度:★★★★★

佐川健太郎|モーターサイクルジャーナリスト
早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。(株)モト・マニアックス代表。バイク動画ジャーナル『MOTOCOM』編集長。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

《佐川健太郎》

佐川健太郎

早稲田大学教育学部卒業後、出版・販促コンサルタント会社を経て独立。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。メーカーやディーラーのアドバイザーも務める。(株)モト・マニアックス代表。「Yahoo!ニュース個人」オーサー。日本交通心理学会員。MFJ公認インストラクター。

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