ロサンゼルス市警察、プジョーを採用…不自然な『ブレードランナー2049』

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『ブレードランナー 2049』
『ブレードランナー 2049』 全 4 枚 拡大写真

2049年、アメリカ、ロサンゼルス。一面に広がるソーラーパネルの上空をプジョー製のスピナーが飛んでいく。人造人間「レプリカント」の犯罪を取り締まる捜査官「ブレードランナー」を主人公にした映画が『ブレードランナー2049』だ。

☆以下、ストーリーのネタバレなし☆

乗っているのはブレードランナーの、K(演:ライアン・ゴズリング)。1982年の『ブレードランナー』の続編という位置付けで、30年後と設定されている。これらの作中に登場する陸・空両用のパーソナルビークルが「スピナー」だ。視覚効果の技術が発展したせいか新作では出番が増え、Kのスピナーにはプジョーのロゴを見ることができる。

Kのスピナーは新車ではない。スーパーバイジング・アートディレクターのポール・インギスは「10年から15年くらい乗り回しているような印象を与えたかった」といっており、製品寿命の長さでいうとスピナーは自動車より航空機に近いようだ。現実のプジョーでは『205』が1983年のデビューで、今から10年前というと先代(初代)『308』が2007年のリリースだ。ボーイング『767』が1982年の就航、エアバス『A380』が2007年に初号機引き渡しとなっている。

新作映画の撮影ではKのスピナーは2台が作られたという。1台は実際に乗りまわすもので、電気モーターによって最高毎時50マイル=約80km/hで走れる(飛ばない)。ステアリングはパワーアシスト、ドアもサーボ機構付きだ。もう一台はフライ・バイ・ワイヤー方式で操縦される可動プラットフォームに据え付けられ、ゴスリングが乗ったもの(フライ・バイ・ワイヤーでも飛ばない)。

Kのスピナーには捜査用の機器が搭載されており、ロサンゼルス市警察当局からの支給品のはずで、Kが趣味で選んで乗っているものではないだろう。すると21世紀中葉の北米ではフランス車がかなりのシェアを占めていると推測される。企業間の提携、合併も考えられるが、現実ではアメリカ系ブランドだったオペルが、2017年にプジョーと同じPSAグループ入りした。

なおプジョーのロゴは劇中で画面に明示されるものの、映画制作・配給側からも、プジョー側からも公式のアナウンスはない。

《高木啓》

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