eCallをプラグイン化するデバイス、EUでは装着義務化…ボッシュがオートモーティブワールド2018に MEMS を出展

自動車 ニューモデル モーターショー
ボッシュのブースではMEMSをメインに展示
ボッシュのブースではMEMSをメインに展示 全 8 枚 拡大写真

オートモーティブワールド2018、ボッシュのブースはMEMSと呼ばれる加速度センサーをメインに展示を行っていた。MEMSとは、半導体技術を応用したマイクロマシンを使ったセンサーデバイスのこと。内部のシリコン片が動くことで物体の動き、傾きなどを検出する。

【画像全8枚】

ボッシュのブースで、MEMSの応用デバイスとして、「テレマティクスeCallプラグ」なるものを発見した。EUでは「eCall」という事故発生時に自動的(またはボタン操作)に警察等に緊急通報するシステムの導入が進んでいる。日本では携帯電話がどこでもつながるし、よほどの条件がかさならない限り事故で遭難という事態は起きないが、海外では、山や森の中でも単独事故でクルマが動かなければ命にかかわることがある。EUでは、2018年4月からはすべての新車への搭載が義務付けられる。

見た目はシガーソケットに差し込むUSBソケットそのものだ(実際、5V1.5AのUSB給電ポートにもなっている)。しかし、内部にプロセッサと高精度なMEMSを内蔵し、Bluetoothによる通信機能を持ったeCallデバイス。MEMSが衝突事故を検知したら、Bluetoothによってドライバーのスマートフォンアプリと連携し、緊急通報を行ったりコールセンターにつないだりする。eCall本体にGPS受信機はないが、通報アプリがスマートフォンを経由する際に、スマートフォンのGPS情報を利用して、位置情報も把握できる。

衝突や事故の検知といっても、誤報や誤検知を起さないためには、センサーの精度やソフトウェアのチューニングが難しい。ボッシュでは、あらゆるOEM車両のデータ(エアバックのデータなどを持っている)から、衝突の強さ、方向など車種を問わず高精度に検出するという。

本来であれば、CANなど内部バスと直結し、走行時のデータ、車両情報のやりとりすることで、より高度な事故解析、きめ細かいサポート、遠隔診断など可能になるのだが、CANの車両制御情報を外部に出したくないメーカーにとっては、スタンドアローンで動作するeCallプラグは都合がよい。

国交省は、日本ではeCallのようなしくみは必要ないとの見解で法制化はないとする。だが、保険業者やテレマティクスサービスとして、eCallのような緊急通報システムの可能性はある。ドライバーも事故でパニックになっているときオペレーターに自動的に通話がつながって、アドバイスが受けられれば心強いし、保険処理もスムースになる。タクシーやトラックなどの運行管理でも事故の記録や本社との連絡が確実になる。レンタカーやシェアリングカーへの搭載も考えられる。

ボッシュでは、国内にもeCallと同様なサービスを展開できるようにコールセンターを稼働させている。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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