外部パワーアンプを使いこなす…パワーアンプ内蔵DSPという選択肢

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「パワーアンプ内蔵型DSP」の一例。アークオーディオ・DSP8 Universal(税抜価格:10万円)。
「パワーアンプ内蔵型DSP」の一例。アークオーディオ・DSP8 Universal(税抜価格:10万円)。 全 1 枚 拡大写真

カーオーディオの音を良くしたいと思ったときの、もっともスタンダードなアプローチは「スピーカー交換」だ。そしてその次のステップアップ法としておすすめなのがこの、「外部パワーアンプ」の導入である。

そのメリットから楽しみ方のコツまでを、1つ1つじっくりと解説する短期集中連載をお届けしている。今回はその第6回目として、「パワーアンプ内蔵型DSP」をテーマにお贈りしていく。

■まずは「DSP」とは何か、からおさらい。

今回は、「外部パワーアンプ」の派生として、「パワーアンプ内蔵型DSP」について考えていく。近年、人気が急上昇し、カーオーディオの“初めの1歩”としてもスタンダードな選択肢の1つとなってきているこれの、楽しみ方のコツを考えていこうと思う。

最初に、これが何なのか解説していこう。まず「DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)」について簡単におさらいしておきたい。「DSP」とは前回紹介したとおり、音楽信号の制御を行うためのユニットである。搭載されている主なコントロール機能は以下の3つだ。“クロスオーバー”、“イコライザー”、そして“タイムアライメント”。

“クロスオーバー”とは、音楽信号を帯域分割する機能である。そして“イコライザー”は周波数特性の乱れを補正するためのもの、“タイムアライメント”とは、近くにあるスピーカーの音を発するタイミングを遅らせて、すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出すための機能である。

なお多くの場合「DSP」の内部では、音楽信号はまずは「クロスオーバー」機能によって“帯域分割”され、その上で“イコライザー”や“タイムアライメント”が適用されることとなる。chごと、個別に調整できるところに妙味があるからだ。そして「DSP」で制御された音楽信号は、「パワーアンプ」の別々のchに送り込まれ個別に増幅される。なので、「DSP」を用いる場合には、スピーカーユニットと同一数の「パワーアンプ」のchが必要となる(このようなシステムのことを“マルチアンプシステム”と呼ぶ)。

例えば…。もしもスピーカーシステムをフロント3ウェイとするならば、スピーカーは合計6個で構成されることとなるので、パワーアンプのch数も、計6chが必要となる。

■「スピーカー交換」のメリットを手軽に引き延ばそうとするならば、「パワーアンプ内蔵型DSP」は頼りになる。

というわけで、「DSP」を用いた“マルチアンプシステム”は、もろもろとハードルが高くなる。コスト、インストールの手間、そしてチューニング技術が必要となるからだ。しかしながら、そのコストとインストールの手間をガクッと減らせる救世主的なユニットがある。

それがこの「パワーアンプ内蔵型DSP」だ。「DSP」と「パワーアンプ」が一体化しているので、「パワーアンプ」を購入する必要がなく、かつ、インストールスペースも少なくてすむ。もしも“マルチアンプシステム”に興味があり、しかしシステムを大がかりにしたくないと思う場合には、「パワーアンプ内蔵型DSP」は非常に頼りになる。

さて、「パワーアンプ内蔵型DSP」を楽しみ尽くすコツの解説に入っていこう。まずは、“選び方”から紹介していく。

なお、最近はさまざまなタイプの「パワーアンプ内蔵型DSP」が登場しているが、総じて高機能だ。なので、グレードが低めのモデルでも、コントロール機能が見劣りするケースは少ない。というわけでチョイスの際にチェックすべきは、コントロール機能の内容よりむしろ、他の部分となる。

ポイントは主に3点ある。1点目が“ch数”、2点目が“パワーアンプの出力”、そして3点目が“サイズ”だ。

“ch数”のチェックは特に重要だ。将来的にフロント3ウェイ化することが視野に入っているのなら、フロント3ウェイ+サブウーファーを鳴らせるだけの“ch数”が確保されているモデルを選びたい。コントロールできる“ch数”を後から増やすことは難しい。

■“ch数”と“出力”、そして“サイズ”をてんぴんにかけて、もっとも自分に合うものを選びたい。

続いては“パワーアンプの出力”だが、ここは考え方でチョイスの方向性が変わってくる。省スペースにこだわり、かつ、手軽に“マルチアンプシステム”のメリットを得たいと考えるのであれば、“出力”は小さ目でも十分だ。

しかしながら、「外部パワーアンプ」を導入して得られるメリットまでも総取りしようと考えるならば、“出力”は大き目のモデルを選んだほうが有利。そういったタイプを選べば、「単体DSP」+「外部パワーアンプ」というシステムに迫る能力を、より手頃に合理的に手にすることが可能となる(ただし、“サイズ”は大きめになる傾向があるので注意)。

また、“出力”の確認と合わせて、サブウーファー用のchの有る無しもチェックしておくとベターだ。もしも将来的なサブウーファーの導入を視野に入れるのであれば、専用のchを備えているモデルのほうが使い勝手は高くなる。

そして、使い方のコツについてもワンポイントアドバイスをしておこう。まず、コントロール機能の運用に関しては、基本的にはカーオーディオプロショップに任せよう。だが、プロのチューニングデータをメモリーした上で、自分でもいろいろと試してみると、一層楽しめる。

さらに、取り付けに関することについても、1つ触れておきたいことがある。電源配線についてなのだが、基本的には、メインバッテリーから直接配線する、いわゆる“バッ直”というやり方がおすすめだ。製品のタイプによっては必ずしもそうしなくて良い場合もあるが、「パワーアンプ」が内蔵されているユニットの場合は何であれ、電源はメインバッテリーから引いたほうが動作が安定しやすい。

また、何らかの電源強化アイテムを使うと、さらに高音質が望める。詳細はカーオーディオプロショップと相談していただきたいが、「キャパシター」の導入が一般的だろうか。“電源強化”が音に効くことも、覚えておいて損がない。

今回はここまでさせていただく。次回もさらに「外部パワーアンプ」についての考察を継続する。お楽しみに。

「外部パワーアンプ」の使いこなし術を徹底解説! 第6回 “パワーアンプ内蔵DSP”という選択肢

《太田祥三》

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