農道での死亡ひき逃げ事件、医師が「単独転倒」に疑問

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県道から分岐し、農地へ向かう細い坂道で高齢女性が倒れているのが発見された。女性は後に死亡するが、当初の「単独転倒」という見立てを診察した医師が受傷状況から否定。ひき逃げ事件として捜査されていた。

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和歌山県印南町内で発生した死亡ひき逃げ事件について、和歌山県警は15日、容疑車両となった軽トラックを運転していた高齢の女をひき逃げ容疑で逮捕した。容疑への関与を否認しているという。

和歌山県警・御坊署によると、問題の事故は2018年2月11日の午後4時30分ごろ発生している。印南町印南原付近の農道(幅員約2.5m)に88歳の女性が倒れているのを近くで農作業していた男性が発見。警察に通報した。

女性は近くの病院へ収容されたが、外傷性ショックなどが原因でまもなく死亡。発見当初は歩行中の単独転倒が疑われたが、骨折は全身の複数個所に及んでおり、「これらの受傷が単独転倒で生じたとは考えにくい」という医師の指摘もあって、警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始。現場の農道を通行する車両は限られていることから、これらの車両について検分を進めた結果、1台の軽トラックに事故の痕跡があることを確認。このクルマを運転していた同町内に在住する71歳の女を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)や道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。

警察の聴取に対して女は「歩く人の姿を見ていないし、ひいた感触もない」などと供述。容疑への関与を否認しているという。警察では事故発生の経緯をさらに詳しく調べる方針だ。

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現場の農道を通るクルマは限られており、通行したであろうクルマをすべて調べたところ、このうち1台から擦過痕が発見され、被害者の着衣にあった痕跡と一致したようだ。被害者の骨折が複数個所に及んでいなかったとしたなら、当初の見立てのように「単独転倒」で済まされていたかもしれない。

《石田真一》

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