札沼線北海道医療大学以北の代替案、JR北海道が公表…バスにより利便性を確保へ

鉄道 企業動向
JR北海道が示した札沼線北海道医療大学~新十津川間の代替交通案。石狩月形駅以南には新規にバス路線を設定。同以北は既存のバス路線を活用する内容となっている。
JR北海道が示した札沼線北海道医療大学~新十津川間の代替交通案。石狩月形駅以南には新規にバス路線を設定。同以北は既存のバス路線を活用する内容となっている。 全 1 枚 拡大写真

JR北海道は2月19日、札沼線沿線まちづくり検討会議に対して、同社が検討している「札沼線(北海道医療大学・新十津川間)の新しい交通体系」を提案したことを明らかにした。

札沼線北海道医療大学~新十津川間47.6kmは、JR北海道が2016年11月に発表した「当社単独では維持することが困難な線区」のひとつにあげられており、昨年11月に発表した2016年度の線区別収支状況によると、1日あたりの輸送密度(1kmあたり)は66人、100円を稼ぐために要する経費を意味する営業係数は、管理費を含めて2609円と、現行のJR北海道の線区では最も低い収支状況が続いている。

2月10日、鉄道ネットワーク・ワーキングチーム・フォローアップ会議から、北海道の総合交通政策検討会議に提出された「北海道の将来を見据えた鉄道網(維持困難線区)のあり方について」においても、石狩月形駅(月形町)最寄りの月形高校へ26人の通学利用があるが、同駅以北では、石狩川を挟んだ対岸の滝川市や奈井江町、岩見沢市といった函館本線沿線市町への移動が中心となっていることから「バス転換も視野に、地域における検討・協議を進めていくことが適当である」としており、鉄道に代わる新たな公共交通ネットワークを早急に確立することを示唆している。

JR北海道から発表された提案内容によると、石狩当別~石狩月形間では、現在、路線バスが運行されていないため、石狩当別駅(当別町)発着の路線を新規に設定。月形高校への通学輸送を考慮して下校時間帯も増便し、列車より多い運行本数を確保するとしている。

また、バスと鉄道との接続を円滑にするため、北海道医療大学駅(当別町)を改良の上、乗換設備を新設するとともに、午前中に上り列車を増発することで札幌方面への利便性を改善するとしている。

石狩月形~浦臼間については、月形高校への通学の足などを確保するため、並行するバス路線がない晩生内(おそきない)~石狩月形間に新規バス路線を設定。札幌方面への利便性を確保するため、現在、平日のみ運行している浦臼~奈井江間の町営バスを毎日運行するとしている。

浦臼~新十津川間については、現在、1日1往復しか運行されていない区間であり、並行する路線バスもあることから、札幌方面への足も含めてこれを活用していきたいとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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