意欲ある事業者よ、北海道に観光列車を走らせてみないか...国交省が公募を検討

鉄道 行政

日本の鉄道事業の常識を覆す提案が、国土交通省鉄道局から出された。JR北海道の線路を解放して、外部事業者を世界から募集。観光列車を走らせるというプランだ。

日本の鉄道は、線路の保守管理も列車の運行も同じ会社が行う上下一体型が普通だが、実現するとJR北海道の線路を、まったく違う事業者が、列車を運行させることになる。その一例として鉄道局が挙げたのは、世界的な豪華列車として名を馳せるイースタン&オリエンタルエキスプレスだ。ロンドンに本社を置く高級ホテルと豪華列車の「ベルモンド」がシンガポール~マレーシア~タイを地元鉄道の線路を使って手掛ける。

ただ、国内ではJR貨物がJR各社の線路を借りて貨物列車を運行させているが、旅客では、ほぼ前例がない。また外部事業者といえども道内で列車を走らせるためには、第二種鉄道事業者としての許可を受ける必要がある。公募が開始されたとしても、新規参入のハードルはけして低いとは言えない。

それでも鉄道局がこうした妙案をぶち上げたのは、JR北海道単体で現状の鉄道網を維持するための事業拡大を続けていくことは極めて難しいからだ。道内は恵まれた自然環境にあり見どころ満載だ。国内、訪日外国人の人気も高い。経営危機も取り沙汰されるJR北海道だが、線路を貸し出すことで新たな収益を確保できれば、資金的、人的に余力の少ない同社でも、現在の鉄道網を維持することが可能になる。

「なんとしてでも、やり遂げたいと思っている。相手のある話でどれだけ手をあげてくるかはわからないが、仕組みを作る以上はきちっとしたい」と、局内は意欲的だ。このことはJR北海道にも伝えられ、実現に向けた協力をするという意思が確認されているという。

プランは20日、官邸で開催された観光戦略タスクフォースで示され、出席した有識者からも大きな期待が寄せられた。

《中島みなみ》

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