イスラエルのベンチャーと日本企業のWIN-WIN…橋渡し役BEYOND MOBILITYの狙い

自動車 ビジネス 企業動向
説明会に登壇したBEYOND MOBILITY社マネージングパートナー&Co-Fouderを務めるEyal Rosner氏
説明会に登壇したBEYOND MOBILITY社マネージングパートナー&Co-Fouderを務めるEyal Rosner氏 全 8 枚 拡大写真

モービルアイに代表されるイスラエルのモビリティベンチャー企業と日本企業を結びつけることで、互いのシナジー効果を高めようと、リンカーズと住商アビーム自動車総合研究所との共催でイスラエル自動車産業セミナーを2月21日、都内で開催した。

【画像全8枚】

来日したのは自動車産業にフォーカスしたベンチャーキャピタルBEYOND MOBILITY社のマネージングパートナー&Co-Fouderを務めるEyal Rosner氏。首相直下のプロジェクト Fuel Choice Initiative のヘッドを 2012 年より 5 年間務めるなどイスラエル・スタートアップ 界における著名人でもある。

同社は、『Garage』と呼ばれるサービスを通して、イスラエル国内のスマートモビリティでスタートアップしているベンチャー企業や大勢の起業家と、資金調達も含めたサポートをする会社として数多くの実績を持つ。既にBMWやインテル、マイクロソフトといった世界を代表する企業との協業や合弁事業などについて関わってきた。

今回、Rosner氏が来日した狙いは、「世界トップクラスの量産技術を持つ日本企業とイスラエルの“頭脳”であるベンチャー企業を結びつけることで互いのシナジー効果を高められる」ことにある。

Rosner氏によれば、「イスラエルは日本の四国ほどの面積に人口800万人が住み、国の規模としてはかなり小さい」。そんな事情もあり、イスラエルは活躍できる場を以前から国外に求めてきたのだという。

注目すべきは、イスラエルでは起業人が極めて多いということだ。代表者は幅広い年齢層に及び、国民がそうした環境に慣れている。背景には、「イスラエルでは18歳になると男性は3年、女性も2年の徴兵がある。この徴兵時に各人の能力が見極められ、先進技術に対する能力が高いと判断されると、場合によっては徴兵を延長してまでその能力を徹底的に伸ばす」(Rosner氏)ことがあるのだという。

実は自動運転の実現に欠かせないLiDARを始めとする先進テクノロジーは、元を質せば軍事技術から生まれている。イスラエルがこうした先進分野で世界の最先端を走り続けるのはこうした背景があるからなのだ。そして、ここで培ったノウハウを退役後、仕事に活かしたいと考える人が増えるのは自然な話でもある。そのためベンチャービジネスのスタートアップ数は極めて多く、「イスラエルでは年間を通して人口1600人あたり1社が誕生している計算にもなる」(Rosner氏)。という。

一方で、それはリスクでもある。セミナーを開催した住商アビーム自動車総合研究所の大森真也代表によれば、「1年間に1000社が起業し、1000社が消滅する」という不確実性の問題も抱えているという。

そこで重要となってくるのがそれらの新会社を選別する眼力だ。Rosner氏は「弊社は永年の経験と実績の下、求められる企業を的確に探して紹介することができる」ことを強調した。

セミナーには日本国内の日本の自動車メーカーやサプライヤーなどの担当者約30人が出席。Rosner氏のプレゼンの後に寄せられた質問では、イスラエルでの日本企業のイメージを尋ねられると、「現状で日本企業がそうしたベンチャーと積極的に協業しているという話は聞かないし、イスラエル国内でも日本企業への関心度は低いのは事実だ」と話す。それでも化粧品会社でイスラエルへ進出して成功した事例は聞いているという。

また、プレゼンで「サポートについては年間契約で結ぶのが基本となり、それには35万ユーロの費用がかかる」(Rosner氏)とのことだったが、質疑での高額で躊躇する面があるとの指摘には「3~4カ月の期間を限定したトライアルとして検討してもいいのではないか」と柔軟であることを説いていた。

話はイスラエルでの観光にも及び、大森代表は「日本ではエレサレムを巡る争いが絶えない国というイメージが根深いが、首都のテレアビブに出掛けると平穏そのもの。死海やキリストが磔となったとされるゴルゴタの丘など、見るべきスポットも数多い。ぜひ一度イスラエルを訪れてみてはどうか」とのサポートも行った。

この後、出席者はEYAL氏との懇親の場へと移動。開場では閉場時間ギリギリまで多くの出席者がRosner氏と意見を交換。イスラエルが擁するベンチャービジネスに対する出席者の強い関心が窺えた。

《会田肇》

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【BYD ラッコ 新型試乗】クルマとしての出来は「極めて高い」が、その真髄は別のところにあった…中村孝仁
  2. 酷暑から愛車を守る! 90系『ノア/ヴォクシー』、40系『アルファード/ヴェルファイア』用ダッシュボードマット発売
  3. 初代より軽い? 次期スズキ『アルト』は500kg台が目標
  4. 猛暑の高速道路でタイヤが突然バーストする前に! 出発前に確認したい5項目~Weeklyメンテナンス~
  5. 見た目は純正、音は本格派! スペーシアにPHD+サイバーナビXを組んだ実用派システム[Pro Shop インストール・レビュー]by 東京車楽
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 自動運転開発の分野で高まるNVIDIAとAWSの存在感、日本メーカーは中国のスピード感に対抗できるのか【AWS オートモーティブ AI イノベーション フォーラム】
  2. KYB、パワースポーツ車両向けEPSを米ポラリス社のオフロードビークルに展開
  3. 東京海上日動パートナーズ、全国8エリアの代理店を一社化…7月に新会社「TNP」発足
  4. 大和ハウスベンチャーズ、自動運転幹線輸送のT2に出資…レベル4実現へ
  5. ジョイフル本田、宇都宮店にソーラーカーポート設置…ホームセンター業界最大級の発電容量1126.4kW
ランキングをもっと見る