【ヨコハマ アイスガード6 試乗】来シーズンのスタッドレスタイヤ選びに…丸山誠

試乗記 国産車
横浜ゴム アイスガード6試乗会
横浜ゴム アイスガード6試乗会 全 17 枚 拡大写真

この冬は各地で降雪が多く、スタッドレスタイヤのお世話になったという人も多いのではないだろうか。すでに今シーズンのタイヤ選びは終わりつつあるが、来シーズンのスタッドレスタイヤ選びの参考にスタッドレスタイヤの秘密をお教えしよう。

横浜ゴムが開催した『アイスガード6』の試乗会は、通常の雪上試乗会と違い、オールシーズンタイヤとの乗り比べやスタッドレスタイヤがどのようにしてグリップ力を発揮しているかを体感させるという、ユニークなプログラム。

少しタイヤに詳しい人ならスタッドレスタイヤは、トレッドに刻まれた細かいサイプのエッジ効果や雪を噛むことによる雪柱せん断力などでグリップしていることは知っているはず。だが、この雪上試乗会で用意されていたのは、レーシングタイヤのようなスリック。トッドはもちろんツルツルでストレートグルーブはもちろん、サイプも何も刻まれていない。

雪道だけでなく、氷上も走るという。テストコースとはいえアイスバーンをスリックタイヤで走れるの?と思わず叫んでしまいそうになった。用意されたのは2種類のスリックタイヤ。1つは最新のスタッドレスタイヤのアイスガード6に使われているコンパウンドで、もう1つはヨーロッパ向けのウインタータイヤのV905のコンパウンド。

まずは圧雪路をアイスガード6用コンパウンドのスリックタイヤで発進すると、スルスルと普通に発進できてしまう。これには驚いてしまった。平たん路を普通にアクセルを踏むくらいならスリップすらしない。アクセルを大きく踏み込むとさすがにスリップするが、けっこう加速できるのは意外だった。

V905のスリックもスリップしながらも加速はするが、明らかにスタッドレス用コンパウンドのスリックよりトラクション性能が低い。この2種類の雪上性能の違いは、ゴムの硬さによるもの。スタッドレス用は低温下でもゴムが硬くならないため、スリックでもグリップ力を発揮する。

氷上のブレーキングも驚きの連続だ。雪上を走った2種類のタイヤでブレーキを踏むとけっこう止まる。ツーと滑っていきそうだが、氷に密着している感じでグリップする。ここでもスタッドレス用のスリックのほうが圧倒的にブレーキング性能が高かったが、これはゴム自体に除水機能があるかの差だ。スタッドレス用は吸水バルーンや吸水ホワイトゲルシリカによって、タイヤと氷との間の水を吸い取ってグリップさせている。

このほかにもトレッドパターンの違いによる差や北米用のオールシーズンタイヤ、欧州用ウインタータイヤにも試乗。海外仕様のタイヤは、最新スタッドレスタイヤのアイスガード6と比べると氷上・雪上性能は劣るが、ドライ性能やウエット性能が高いという。特に欧州向けのウインタータイヤは高速走行に対応している。

アイスガード6は日本の雪や氷に対応するように開発されただけあり、各性能のバランスがいいという印象。来シーズンにスタッドレスタイヤを履き替える予定の人は、全方位の性能に優れたアイスガード6がおススメだ。

丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。

《丸山 誠》

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