ニュアンスとダイムラーAGが語る、次世代の音声認識システムとは…MWC2018

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メルセデスベンツのブースで開催されたダイムラー AG のジョルジュ・マッシン (Georges Massing) 氏と、ニュアンス・コミュニケーションズのアーンド・ヴァイル(Arnd Weil)氏のトークセッション
メルセデスベンツのブースで開催されたダイムラー AG のジョルジュ・マッシン (Georges Massing) 氏と、ニュアンス・コミュニケーションズのアーンド・ヴァイル(Arnd Weil)氏のトークセッション 全 6 枚 拡大写真

音声認識技術の開発・提供を行うニュアンス・コミュニケーションズは、スペインでされた「MWC(モバイル・ワールド・コングレス2018)」において、ダイムラーAGとのトークセッションを行った。

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登壇したのは、ダイムラー AG のユーザー インタラクション担当ディレクターであるジョルジュ・マッシン(Georges Massing)氏と、ニュアンス・コミュニケーションズのオートモーティブ部門シニア・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるアーンド・ヴァイル(Arnd Weil)氏の2人。テーマは次世代の音声認識システムについてだ。

まず、ジョルジュ氏が音声認識に対する関わり合いについて語った。「私が常日頃より関心を寄せているのはユーザーインターフェイスの最適化だ。その使いやすさを追求する中で音声認識システムの自然言語理解をもっとも重視してきた」とする。一方のアーンド氏は「私が音声認識に関心を寄せたのは30年ほど前のことで、この時にドイツの大学で音声認識の技術開発をスタートさせた。その数年後、音声認識のプラットフォーム構築に力を入れ始めた」のだという。

メルセデスベンツとニュアンスという異なる業種がパートナーとなることでどんなメリットが生まれたのだろうか。

ジョルジュ氏は「最初はIT業界に携わるエンジニアの、異なる発想に驚きを感じた」という。それは自動車の開発を行っていた立場では気付かなかった斬新なアイデアを与えてくれたからだ。そのため、最初のステップから互いによい関係が出来上がっていたという。これを受けてアーンド氏は、「開発当初は多くの人が音声認識に関心はなかったが、コラボによって様々なアイディアが具体化されて進化を遂げることができた」と話す。つまり、両者の協力によってイノベーションを早めることが出来たというわけだ。

では、音声認識が当たり前になってきている中で、今までと比べて何が違って、どのあたりが新しいのだろうか。ジョルジュ氏曰く、それは「パーソナルDNAと同じ仕組みにあると思う」。たとえば、これまでの音声認識システムではダミーとして第三者が利用することだって可能だが、「個々を特定することでそれを防ぐことができる」(ジョルジュ氏)。アーンド氏は「開発を通して実感できるのはその進化が目覚ましいこと。このパーソナライズ化する基礎的な技術は既に完成の領域にある」という。

次世代の音声認識システムではどんなことが期待できるのだろうか。

ジョルジュ氏はこれについて興味深いことを述べた。それは音声認識システムと車載カメラの連携だ。「ドライバーがどこを見ているかをカメラが認識するので、視認した方向にあるレストランの情報を知りたいと思ったとき、ディスプレイを介して答えてもらうことも可能になる」というのだ。アーンド氏は「5年先にどんな機能が流行っているのかなど想像はできないが、少なくとも我々が開発しようとしている音声認識システムはインテリジェンスが違う。我々がすべきことはプラットフォームとしてすべてに対応していくことだ」と述べた。

ボイスアシストが組み込まれたマシンをエコシステム化されるまでに、どのぐらいかかるのか? そこで我々は何が出来るのか。音声認識システムは自動運転にどう影響していくのだろうか?

ジョルジュ氏は「今後、通信インフラが4Gから5Gへと切り替わっていくのに伴い、クルマのプラットフォームも大きく変化していく」という。「たとえば私たちは今、ドイツからスペインに来ているが、それをクルマが認知して地元のイベントを紹介したり、駐車できる場所の情報を反映する。そうしたリコメンドができるようクルマも変わっていかないとならない」(ジョルジュ氏)。

アーンド氏も続ける。「座ったままの状態で、タッチすることもなく、音声だけですべてが出来てしまうのが次世代の音声認識システム。僕たちはそれを“ジャストトーク”と呼んでいる。自動運転について考えると、それはクルマとデバイスがキーポイントになる。車庫入れ等も自動化され、ドライバーは手を動かす必要はなくなる。クルマと会話していくことでシステムが勝手に学んでいくので、座っただけでパーソナライズ化できる」というわけだ。

アーンド氏は続ける。「自動運転が実現するとドライバーという概念がなくなる。クルマで移動中にでゲームやカンファレンスだってできるわけで、みんながアクティビティを主役として楽しめるようになる」。一方でジョルジュ氏は「ドライバーが何かを行動する前に、リコメンドだけでなくリマインドもしてくれる。ガソリンが残り少なくなればスタンドを案内してくれるのが当たり前になっていく」と、自動運転がもたらす新たな世界を語った。

最後にジョルジュ氏は「会場には様々なテクノロジーが数多く出展されている。私はそうした技術に対して常にアンテナを張り、必要なものを組み合わせ、それらを消費者目線で見て製品に反映させていく。テクノロジーは日進月歩で、自分たちのものにどう影響していくのかも考える必要がある」とした。アーンド氏も「会場では自動運転を目指した出展を数多く見ることができた。そんな時代でも我々のテクノロジーはライバルより良いものを提供できると確信したし、その技術力を新型『Aクラス』へ反映していきたいと考えている」と述べた。

《会田肇》

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