アストンマーティンは3月6日、スイスで開幕したジュネーブモーターショー2018において、『ラゴンダ・ビジョン・コンセプト』を発表した。
「ラゴンダ」は1898年、英国に設立された名門高級車メーカー。1909年から生産を開始し、1935年のルマン24時間耐久レースでは、『M45』の軽量バージョンで優勝を果たすなど、モータースポーツでも活躍した。しかし、第2次世界大戦終了後の1947年、アストンマーティンとともにトラクターメーカーを経営するデビッド・ブラウン氏に買収され、ブラウン社の傘下に入った。
その後、1961年にアストンマーティンの4ドアバージョンとして、『DB4』をベースにした『ラゴンダ ラピード』が登場。しかし、わずか4年で生産中止に追い込まれる。そして1974年、今度は『DBS』をベースに開発した『ラゴンダ』として再び復活。いつしかアストンマーティンの4ドアとは、ラゴンダを指すようになった。
ジュネーブモーターショー2018で初公開されたラゴンダ・ビジョン・コンセプトは、2021年から生産を開始する予定のラゴンダブランドの新型EVを示唆したコンセプトカー。ラゴンダは世界初のゼロエミッションの高級ブランドを目指しており、ラゴンダ・ビジョン・コンセプトの市販化で、その目標達成の第一歩とする。
ラゴンダ・ビジョン・コンセプトでは、EVパワートレインのバッテリーを、すべて床下にレイアウト。そのおかげで、ボンネットを持たない大胆なデザインが可能に。4シーターのインテリアには、カーボンファイバーやセラミックなどの素材を使用。その一方で、シルクや羊毛などの素材も用いられている。
EVパワートレインには、強力なソリッドステートバッテリーを採用。1回の充電で、最大およそ645kmの航続を可能にする。モーターのパワーが4輪に送られる4WDとなる。