【スーパーフォーミュラ 鈴鹿テスト】初日午後走行の千代勝正、今季のシートを獲得…B-Maxレーシングチーム

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#50 B-Maxは今季SFに千代勝正の起用を決定(左から本山監督、組田代表、千代)。
#50 B-Maxは今季SFに千代勝正の起用を決定(左から本山監督、組田代表、千代)。 全 6 枚 拡大写真

今季第1回のスーパーフォーミュラ(SF)公式合同テスト開催中の鈴鹿サーキットで、初日(3月12日)終了後にサプライズの人事決定劇があった。午後にB-Maxレーシングチームのマシンで走行した千代勝正(新人)が、見事に同チームの今季シートを射止めている。

近年のSFは、そのF1に次ぐスピードの高さとコンペティションレベルの高さから海外勢の注目度も高く、その分、国内の若手や中堅にとってはシート獲得が困難なものになりつつある。そんな状況下、千代はテストでのオーディションを勝ち抜くような格好で、今季の参戦シートを得た。

千代勝正(ちよ・かつまさ)は1986年12月生まれの31歳。年齢的には中堅の域に入ってきており、SUPER GTでは近年、既にGT500クラスのレギュラーに定着している実力者だ。2011年全日本F3選手権Nクラス王者、2015年豪州バサースト12時間レース総合優勝(日本人初)、同年欧州ブランパン耐久シリーズ王者、同年SUPER GT/GT300クラスチームタイトル獲得といったこれまでの実績からも、SFに乗っていておかしくないドライバーだが、なかなかチャンスに恵まれずにいた。

今回のテストはF3時代から関係が深く、今季GT500での所属チームでもあるB-Maxからの出走だったが、テスト参加自体がかなり突然に決まったことだったと千代は話す。

B-MaxはF3やSUPER GTでの活躍で知られ、SF参戦は今季で2年目となる(1台体制/エンジンはホンダ)。昨年12月の鈴鹿テストで佐々木大樹と高星明誠、今回の鈴鹿テスト初日にはJ.マーデンボロー(午前)と千代(午後)を起用し、いわばオーディションを敢行。4人ともチームとの関係が深い有望株だけに難しい選考だったと思われるが、そのなかで千代がシートを勝ち獲った。千代は走行終了1時間後くらいのタイミングで、組田龍司チーム代表から今季の参戦決定を伝えられたという。

千代勝正のコメント
「これまではフォーミュラのトップカテゴリーには縁がなく、同世代の選手が活躍するなか、正直、自分がSFに出ることはなかなか想像できませんでした。チャンスを与えてくれた組田さん、本山監督たちに感謝したいですし、選んでいただけて嬉しく思います。でも、やらせてもらえるからには、ずっと後ろを走っているつもりはありませんし、嬉しいと同時にチームと一緒に上がっていくという覚悟、責任も感じています」

今季からB-MaxのSFチームの監督を務めるのは本山哲。SFの前身フォーミュラ・ニッポンで4度のタイトル獲得歴を誇り、GT500では今も第一線の現役ドライバーだ。B-MaxのGT500初陣となる今季を含め、ここ3年はMOLA~B-Maxで千代と組んでいる。

千代にとっては日産系ドライバーとしての大先輩でもある本山監督は、千代の起用決定に際し「タイムの比較だけではなく、セッション中の流れ、そしてSF参戦2年目でこれから上がっていくべきチームと一緒に進んでいけるドライバーということで、彼が選ばれました」とコメント、大きな期待を寄せている。

今回の決定に伴い、13日の鈴鹿テスト2日目は千代が午前、午後ともB-Maxの#50をドライブするとのこと。今度は“愛車”でシーズンに向けての準備を進めることになる。ついにつかんだチャンスを千代がどう活かし、本山監督が言うようにSFではまだ若いチームと一緒にどう伸びていくか、今季の新たな焦点が生まれた。

なお、これで今季のSF全19シートのうち、ドライバー未決なのはUOMO SUNOCO TEAM LEMANS(2台体制/エンジンはトヨタ)の1台、#7のみ。同車には鈴鹿ファン感~テスト初日は昨季FIA-F2シリーズ3位のオリバー・ローランドが乗ったが、2日目は往年のF1チャンピオンであるエマーソン・フィッティパルディの孫、昨季「ワールドシリーズフォーミュラV8 3.5」王者のピエトロ・フィッティパルディが乗ることとなっている。

《遠藤俊幸》

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