いまだ進化し続けるアウディのクワトロシステムを試す…氷上試乗

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アウディ・ウインターエクスペリエンス@女神湖
アウディ・ウインターエクスペリエンス@女神湖 全 28 枚 拡大写真

氷上の特設コースでプレス向けに開催された「アウディ・ウインターエクスペリエンス@女神湖」。アウディ クワトロ最新モデルの数々を試乗する機会に恵まれた。

【画像全28枚】

前日にカスタマー向けに行われた内容と同様に、厚く凍った湖上には雪を寄せて作られた直線路、旋回路、周回路の3つのコースが用意され、我々プレス向けには、ハンドリング、ブレーキング、ドリフト、スラロームなどの45分プログラムを午前と午後に各3回設定。丸一日たっぷりとクワトロのパフォーマンスとドライビングの醍醐味を楽しむことができた。

もっとも歩くこともままならないほどツルツルに磨き込まれた氷上路面とは言え、装着されているタイヤはどれも一般道を走っているスタッドレスタイヤやヨーロッパで冬季に高速ドライビングをサポートしてくれるウインタータイヤ。日常と変わらぬ条件のままドライビングを楽しませてくれるというのだから、いかにクワトロに対して絶大な自信があるかが良くわかる。

発進も旋回も難なくこなす

さっそくハンドリングコースを何の制約も受けずに走行してみると、スタートは実にあっけない。電子制御オンの状況で気楽に右足に力を込めると、タイヤが滑る間もなく制御介入のランプが点滅し確実に路面をキャッチ。人が雪道で転ばぬように少しずつ歩を進めるようにギュッギュッとタイヤを転がしていく。 ワゴンボディの『S4』は縦置きエンジンレイアウトを採用していることで、メカニカルギアをセンターデフに持ち後輪60%、前輪40%の駆動力配分を基本に、滑りが生じて前後に回転差が生まれると駆動力の安定しているほうに高いトルクを伝達し安定性を向上。加えてブレーキやエンジン制御などの電子デバイスを組み合わせてトレース性を高めてくれるのだから、一方向の発進などはお手のもの。速度が少しでものれば発進時の制御介入頻度は減り、4WDの駆動力の高さがよくわかる。

旋回方向においてはさすがに物理的なグリップ限界を越すと横滑りをしてしまうが、ステアリングに対しては確実に応答はしてくれて、ゆっくりと旋回方向へと姿勢を作っていく。大きな軌跡を取りながらもボディを旋回方向に向けていくことこそクワトロが前後駆動力配分を積極的に行ってくれている証で、ミューが少しでも回復するとしっかりと旋回ラインに復帰。安定性と旋回力のバランスを巧みにとってくれているのはありがたい。

もっともタイムアタックなどでドライバーが少しでも熱くなってしまうと、制御や四駆システムがどんなに頑張ってくれても、アイススケート場のような路面ではドキッとすることもある。進入速度が旋回可能速度より高ければどんな高性能モデルでも曲がれない。進入速度をコントロールするのはあくまでもドライバーであってクルマではない。タイムアタックをおこなうことでドライバーの責任の重さを理解させるのも、もしかしたら織り込み済みなのかもしれない。

四駆アイテムの豊富さを知る

ブレーキングやドリフトプログラムでは、さらにABSやESCなどの具体的な制御効果やクワトロのハンドリングの良さを積極的体験。中でもドリフトプログラムでは大きなボディや背の高いモデルがミズスマシのように氷上をグルグルと横滑りしながら旋回を続けられたり、大パワーの腹に響く排気音を聞くことが出来るなど、とても氷上とは思えぬパフォーマンス経験だった。

駆動システム的にも横置きエンジンの『RS3『では電子制御油圧式マルチプレートによって前後トルク配分をコントロール。前後重量配分最適化のためにリアアクスルに採用された制御ユニットはドリフトプログラムではその効果を大いに発揮。なかなかノーズがインに向かないような環境でも、このシステムではリアへの駆動力伝達が実にスムース。リアが滑り出す一瞬をとらえることがドリフト姿勢に持ち込むポイントであったなかで、動きがつかみやすくて唐突感も少ない。穏やかな挙動は洗練された4WDシステムと言った印象で、クワトロならではの四駆アイテムの豊富さを知ることができた。

多くの最新クワトロモデルを各プログラムで試乗して、ボディサイズに関わることなく高い駆動力と旋回性能を両立させながら、走りの楽しさを味あわせてくれたのは、正に基本性能の高さと長い歴史が培ってきたアウディならではのもの。あまたに多くの四駆システムが用意されている中、いまだに進化し続けるクワトロシステムも知ることができた。

また、氷上での滑りやすい路面での経験は、確実に帰りのドライブを慎重なものにしてくれて、安全運転にも大いに役立つはず。多くの一般ユーザーに経験してもらうのもいいだろう。

《瀬在仁志》

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