国交省が日産に業務改善指示、道路運送車両法違反を地裁に通知---無資格者の完成検査問題

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日産自動車追浜工場
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国土交通省は、無資格者の完成検査を行っていた日産自動車に対して、大臣名で型式指定に関する業務改善指示書を交付するとともに、道路運送車両法違反(完成検査の一部未実施)による過料適用のため横浜地方裁判所に通知した、と発表した。

業務改善指示書の交付と、裁判所への通知はいずれも26日。

国土交通省は日産の完成検査に関する不適切事案について、昨年9月以降、日産に立入検査を実施するとともに、昨年11月17日付で同社から国土交通省に提出された報告書について精査してきた。この結果、実態を伴わない完成検査に関する実施細則を届け出ることにより、数多くの型式指定を受け続けたことや、日産の本社と各工場の管理者とが現場の実態を把握・管理できておらず、昨年9月の立入検査時の不適切対応に関しても、各工場に対し速やかに的確な指示を出さなかったことなどを問題視。これらを踏まえると、一連の不適切事案は、経営層を含め日産組織全体の責任は大きいと見ている。

同指示書では、日産に対する指摘を踏まえて、報告書で示された再発防止策について必要な見直しを行い、その後の再発防止策の実施状況について四半期ごとに報告することを求めた。加えて3月20日に公表した「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース」の中間とりまとめを踏まえ、国土交通省では日産を重点的な監視対象とし、今後、改めて不適切な取扱いが判明した場合や必要な場合、所要の措置をとるとしている。

また、国土交通省が報告書を精査した結果、日産の栃木工場で、2014年1月25日から2017年10月19日までに完成検査をした2万4207台の型式指定車について、完成検査の一部である「車室外乗降支援灯(消灯)」の検査が行われていなかったことが判明した。

このうち、国土交通省では自動車局長が日産に対し業務改善指示書を交付した2017年9月29日以降に完成検査をした107台について、改善指示を受けたにもかかわらず完成検査業務の適正な実施がされていなかった点が、道路運送車両法令の適切な執行に影響を与えかねない重大な違反と判断。道路運送車両法第75条第4項違反による過料が適用されるよう、横浜地方裁判所に通知した。横浜地方裁判所が認めた場合、30万円以下の過料を課せられる。

《レスポンス編集部》

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