京成バス、バリアフリーに対応した2階建て新型バスを披露…2年間の検討を経て導入へ

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京成バスが3月29日から運行するバリアフリーに対応した2階建てバス「ダブルデッカー」
京成バスが3月29日から運行するバリアフリーに対応した2階建てバス「ダブルデッカー」 全 9 枚 拡大写真

京成バスは3月27日、同社の東雲車庫(東京都江東区)でバリアフリーに対応した2階建て新型バス「ダブルデッカー」の披露会を開催した。スウェーデンのスカニア製で、同社の高速バスでは初の2階建てバスの導入となる。

この最大の特徴は、一般路線バス(ノンステップバス)と同様に車いすの乗客がスロープ板を使って乗り降りするところにあり、高速バスにスロープ板を採用したのは同社が初めてだ。これによって、高速バスでも車いす利用のお客が3分程度で乗り降りが可能になった。

「2016年春ごろから、今後のバリアフリー化を見据えて、どのようなバスが望ましいか、どのようなタイプのバスを導入すべきなのか、2年間ほど議論を進めてきた。当社はそのときすでにリフト付き高速バスを2台保有しており、乗降時間をより短く、スムーズに利用いただけるバスをということで、スロープ板を採用することを決め、それに適したバスを探したところダブルデッカーとなった」と同社の加藤浩一常務は説明する。

しかし、当時すでに国産メーカーがダブルデッカーの製造をやめていたため、海外メーカーのものを探し回り、スカニアに行き着いたそうだ。ただ、その製造には10カ月間も要し、2月10日ごろに日本に陸揚げされ、約1カ月半かけてはとバスの工場で架装などを行ってつい最近入庫された。価格については明らかにしなかったが、通常のバスの2倍以上とのことだ。

車両の寸法は、全長11.98m、全幅2.49m、全高3.78mで、重量は16.55t。定員は1階フロアが3名(車いす1名、介助者1名、乗務員1名)で、2階フロアが51名の計54名。1階フロアにはトイレがあり、無料のWi-Fiサービスをはじめ、スマートフォンなどの充電ができるUSBポートが全席に装備されている。

もちろん安全装備も充実しているのは言うまでもない。12段機械式AMT(自動変速機)、車間距離保持機能付クルーズコントロール、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報、電子制御式安定走行プログラム、クリアランスソナーを搭載している。

3月29日から運航を開始し、有楽町~成田空港間を1日3往復する。運賃は事前予約すれば900円だ。バスの導入コストが通常のバスの2倍以上で、運賃が同じとなると、投資回収に時間がかかり、ビジネス的にうまみを感じられないが、「今回は利益よりも企業の社会的使命のほうを考えた」(加藤常務)そうだ。

《山田清志》

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