モントーヤがルマン24時間にLMP2クラスで初参戦…LMP1勢壊滅なら「世界3冠」達成の可能性も!?

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2015年のインディ500で優勝したモントーヤ。
2015年のインディ500で優勝したモントーヤ。 全 7 枚 拡大写真

28日、F1モナコGPとインディ500の優勝経験をもつファン・パブロ・モントーヤが、今年6月のルマン24時間レース(世界耐久選手権=WECの18/19シーズン第2戦)にLMP2クラスで初参戦することが決まった。WEC公式サイト等が報じている。

モントーヤはコロンビア出身の42歳。F1やインディカーを中心に豊富なキャリアを積んだ国際的トップドライバーで、F1モナコGP(2003年)とインディ500(2000、2015年)を既に制している。過去にグラハム・ヒルしか達成者がいないとされる、ルマン24時間を含む世界3大レース完全制覇、これにモントーヤは王手をかけているのだ。

世界3大レース制覇といえば、最近はフェルナンド・アロンソの挑戦が話題。だがアロンソはまだモナコGPしか勝っておらず、今年のルマンに最高峰LMP1クラスのトヨタから参戦するが、仮に勝ってもまだ2冠だ。昨年初参戦して優勝できなかったインディ500が残る(今年のアロンソのインディ500参戦は、F1優先の契約のため、実現しないと見られている=モナコGPが日程重複)。

アロンソよりも偉業達成に近い位置にいるモントーヤが、ルマン初出場のチャンスを得た。ただ、今回はLMP2クラスのユナイテッド・オートスポーツからの参戦(マシンはリジェJS P217)。LMP2は文字通り、LMP1の次位クラスで、常識的に考えれば総合優勝は難しいだろう。世界3冠に明確なルールブックなどは存在しないはずだが、クラス優勝では3冠達成にはならないものと思われる(今後、議論になるか。モントーヤ組がクラス優勝のみ達成した場合の世界の報道の仕方も注目されるところ)。

昨年に関してはLMP1勢にトラブルが相次ぎ、あわやLMP2が総合優勝、という局面もあったルマンだが、そうそうあるべき事態ではない。今年に向けてはLMP1クラスの内情が様々に変化したので、その意味ではまた新たな混乱が生じて昨年の状況が再現される、そんな可能性もないとはいえないが、トヨタの2台を含む10台の参戦が予定される以上、やはり総合優勝はLMP1から出ると考えるのが自然だ。

モントーヤの今回の参戦は、将来的なルマン総合優勝へ向けての第一歩と考えるべきだろう。モントーヤはプロトタイプのレースでもデイトナ24時間では3勝の実績をもち、今季もアキュラのプログラムでデイトナ24時間を含む「IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権」を主戦場にしている。そういったキャリアにルマンでの経験値を加え、近い将来の最高峰クラス参戦にいろいろな意味で結びつけていきたい(かつてのポルシェLMP1をテストした経験もある)。

モントーヤは「ルマンを経験できる機会を得て、とても興奮している。チームに合流するのが楽しみだ。ユナイテッド・オートスポーツは昨年も力強いレースをしていた陣営だからね。今までは見るだけだったレースに、ついに参加することができて幸せだ。我々は勝利を狙うこともできるだろう」とコメントしている。

勝利とは、おそらくクラス優勝を意味するのだと思うが、いずれにしてもモントーヤが実際に“動き出した”ことで、現段階でモントーヤの方がアロンソよりも世界3冠に近い数字的事実があらためて浮き彫りにされ、現実味も増してきた。偉業達成を巡る戦いが今後、ヒートアップするかもしれない。

今年のルマン24時間レースは6月16~17日に決勝が行なわれる。

《遠藤俊幸》

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