彼らはどうしてトヨタ プリウス に乗るのか?…オーナーが語る20周年とHVライフ

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トヨタ プリウス オーナー座談会
トヨタ プリウス オーナー座談会 全 50 枚 拡大写真

ハイブリッド(HV)車は軽自動車でも当たり前の存在となり、2017年は100万台以上のハイブリッド車(全車種・PHV含む)が販売された。また新車販売の約3割がハイブリッド車という統計もある。ガソリン、ディーゼルに次ぐパワートレインの主流のひとつといっていいだろう。

もちろん、その先駆けとなったのは1997年に生まれた『プリウス』だ。発売以来多くのユーザーに支持され、とくに2代目以降は新車月販ランキングの常連になるほどで、その人気は4代目となる現在も続いている。「21世紀に間に合いました」というフレーズで一世を風靡したプリウスは、昨年2017年に販売開始20周年を迎えた。

その20年の歴史をオーナー目線で振り返るため、プリウスオーナーである藤本一郎さん(東京都・初代プリウス)、夏目善裕さん(静岡県・2代目プリウス)、小野寺裕一さん(神奈川県・4代目プリウス)、高瀬哲さん(富山県・2代目プリウスPHV)の4名と、モータージャーナリストで初代から3代目までプリウスオーナーだった桂伸一氏、そしてレスポンス編集人 三浦和也氏(初代プリウスPHV)に集まってもらい、座談会を開いた。

◆購入のきっかけは指名買いから懸賞の当選まで

----:まず、みなさんにはプリウスを選んだきっかけや理由についてお話しいただきたいと思います。

桂伸一氏(以下敬称略):自分は初代が出たときにすぐに決めました。それまでレースでガソリンを使いまくっていたので、罪滅ぼしの意味がありましたが、やはりモーターで動くという当時としては珍しいクルマなので“乗ってみたい”という思いもありました。その後2代目、3代目まで乗り継ぎましたね。乗っているとアラもでてくるんですが、それが愛着にもなってくるんですね。

4代目を買わなかったのは、オーナーがいる前で恐縮ですが、好みの問題でフロントマスクがあまり…(笑)。現行PHVのフロントだったら欲しいなと思います。ただ、乗り心地は最高でしたね。前後のサスのストロークする感じはすごく良くなってます。

小野寺さん(以下敬称略):その4代目オーナーですが(笑)、雑誌やネットの記事を見ていると、ジャーナリストのみなさんも4代目のマスクの評価ははっきり分かれていましたね。

----:初代プリウスはいまとなっては珍しいクルマになりますが、藤本さんはどのようなきっかけだったんでしょうか。

藤本さん(以下敬称略):私の場合は少し経緯が変わっていて、貰い物なんです。2005年頃のことですが、ある雑誌で中古プリウスを実際に購入して評価する企画があって、それが終了したときにクルマが読者プレゼントになったんです。応募したところ、約2万人の中から当選しました。もともと変わったクルマが好きだったので、それ以来ずっと乗り続けています。バッテリー交換をしましたが、とくに困ることもなく、他に欲しいクルマもないのでまだ乗るつもでいます。

三浦:懸賞で当たったクルマに13年も乗り続けるというのは、まさに運命の出会いだったんでしょうね。クルマも幸せですね。

夏目さん(以下敬称略):私も初代を経ての2代目プリウスです。初代は、もともと父親が定年退職したときにクルマを買おうとしていたので、当時出たばかりのプリウスを購入させました。雑誌でハイブリッドが出るということを知っていたので、すぐに勧めました。10年ほど乗って買い替えるとなったとき、父はやはりプリウスがいいと言って10周年記念モデルに買い替えんですが、このとき初代を自分が譲り受けたんです。

その後、父が体を壊したので、2代目をそのまま引き継いで乗ってます。じつは、初代のころから父のクルマを持ち出して地域のプリウスコミュニティに参加したりしていました。あるオフ会では開発者の内山田さん(現トヨタ自動車会長)にサプライズでお会いしたこともあります。

----:小野寺さんは、応募のときにプリウスの良い点・悪い点など100件くらいのリストを作ってくれたんですよね。

小野寺さん:自分はトヨタ車しか乗ったことがないトヨタファンです。若いときは『セリカ XX』などに乗っていましたが、3代目が出たときに車の完成度がものすごく上がったということで、年齢的にも飛ばすクルマより普通に走れるクルマがいいかなと思い、買いました。最初の印象は、セリカとの比較で「えらく腰高だな」とは思いましたが、燃費がセリカの倍くらいの24km/リットル前後とものすごく良かったのにびっくりしました。

4代目はデザインと先進性に惚れて、これも雑誌の情報をチェックしながらすぐに決めました。(4代目は)フロントデザインが攻撃的だ、リアがおとなしい、などいろいろ意見がありますが、私は横から見たライン、空力の良さ、そしてハイブリッドとしての完成度などパッケージとしてのデザインが気に入っています。趣味の食べ歩きで、「孤独のグルメ」の聖地巡礼をやっているのですが、地方への遠征も普通に運転して25km/リットルくらいの実燃費が達成できているのも助かってます。

----:高瀬さんは富山からの参加ですが、プリウスを何台もお持ちだとか。

高瀬:はい。昔はベンツやBMWなどを乗っていましたが、桂さんと同じでそろそろ環境にいいクルマ、燃費がいいクルマが欲しいということになって、ディーゼルに乗ったりしてました。でも、最初のハイブリッドはプリウスではなく『インサイト』(2代目)でした。インサイトを買ったらすぐに3代目のプリウスがでたので、これは! と思って買い換えました。3代目を14万キロくらい乗ったところで初代PHVが出たので、これも買いました。そのあとも、4代目プリウスが出たとき、2代目PHVが出たとき、と全部買っています。とにかく年間4万キロくらい走るので、燃費の良さは欠かせない要素ですね。

----:3代目プリウスから出たモデルをずっと続けて買っていることになりますね! すごいプリウス愛だと思います。

三浦:私は自動車媒体に関わる仕事柄、歴代プリウスは一通り試乗してますが、最初のPHVは自分で買おうと決めていました。すごいなと思ったのは、トヨタがハイブリッドにバッテリーを追加しただけで、プラグインハイブリッド(PHV)という新しいコンセプトを提案してきたことです。単純な発想ですが、そのことが秘める可能性は高いと思ったので、いまのクルマは値段も聞かずに決めました。バッテリー走行は20キロくらい可能なんですが、駅までの往復や普段の買い物など、ほとんどエンジンがかからない。家人はプリウスをEVだと思っているんではないかというくらい。

桂:ハイブリッドユーザーはエンジンがかかるとがっかりするところがありますが、PHVは本当にエンジンがかからないですね。いつかかるんだろうと思わされます。

◆燃費の良さはもちろん、好みもさまざま

----:みなさんのプリウスとの出会いの話だけで、エピソードたっぷりでしたが、あらためてプリウスの良い点、好きな点、あるいは不満な点などあれば聞かせてください。

小野寺:良い点はたくさんあります。エコカーでありながら走りも良い。ハンドリングもよく、乗り心地はワンランク上のクルマですね。モーター走行の範囲が広がったのも燃費に貢献してます。現行プリウスは90km/hから100km/hくらいの走行でもモーターで走れてしまうんです。気になる点は、グローブボックスが小さい点でしょうか。カーナビと車両の取説が無理しないと入らないんです(笑)。

高瀬:とにかく燃費ですね。今回、富山から高速道路を使わないで会場の横浜まで来たのですが…。

一同:えーっ!

高瀬:およそ400キロくらいの走行で、ガソリンはおそらく5リットルも使っていないはずです。燃費計では89km/リットルと出ていました。新しいPHVは急速充電対応なので、要所要所でスポットが利用できますし、時間もすぐです。急速充電を使うと普通充電にはもどれませんね(笑)。しかも安房峠の下りでは、回生によって50キロ分の充電がボーナスでついてくるんですよ。下りでガソリン使わないだけでなく、50キロ分が丸儲けです。

桂:いまは充電インフラも進んでますから、PHVでも充電しながらの走行が可能ですね。

三浦:燃費談義はプリウス乗りならではですね。プリウスの良さは2度楽しめることだと思っています。というのは、何年かエコカーとしてのプリウスを楽しんだあと、あえて燃費優先ではなくパワーモードで走るんです。パワーモードでモータートルクによる走りを楽しむ。違うクルマになったようでオススメです。あるいは、タイヤを静粛性の高いもの、高級モデルのタイヤに交換するだけでもいいと思います。もともと静かなプリウスですが、その分エンジン音やロードノイズが気になりがちなんですが、タイヤをグレードアップすると静かになって、乗り心地もワンランク上がります。

高瀬:2代目PHVのLEDヘッドライトは、かっこいいのですが雪がすぐに積もってダメですね。雪国ならではの問題ですが、今年の冬は走行しながら途中で雪落とししないと前が見えなくなるんです。ランプの形状を変えるかウォッシャーが必要だと思います。

藤本:やはり初代のトランク独立型のセダンが好きですね。車検を自分で通すことがあるんですが、プリウスはHVだからといって特別なことはなにもない。本当に普通ですがいいクルマだと思っています。仕事は半導体のエンジニアをしているのですが、初代のインバーターの電源バスバーはものすごく分厚くてニッケルメッキされているんです。初代の細部を考えた設計は感心します。ただ、その後、バッテリー電圧が上がってきたので薄くなったり(高電圧だと電流を下げられるので配線などを細くできる)、さまざまなコストダウンが進んでいますけどね。

夏目:私もコミュニティのオフ会などでメーカーの人と話すことがあります。細かい要望など伝えていますが、ヒーターの問題、エアコンの制御、操作スイッチなど、ユーザーの不満は代を追うごとに着実に改善されてきていますよね。これは評価すべきことだと思います。

----:話が尽きないのですが、最後は桂さんに締めていただきたと思います。

桂:今回、この座談会の話をいただいたとき、予定だけ見てOKしたんですが、みなさんの経歴を見て正直失敗したなと思いました。座談会のお話を聞いても、ぼくよりみなさんのほうがプリウスに詳しいし(笑)。しかし、こうして20周年にプリウス愛にあふれるオーナーが集まることができ、要望も出されましたが、トヨタのことですからきっとみなさんの期待に応えてくれると思います。5代目がさらに楽しみになったと思います。

プリウスのホームページはこちら

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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