電車の回生電力を蓄電池から円盤へ---鉄道総研・山梨県・JR東日本が新蓄電システム開発で連携

鉄道 テクノロジー
鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの仕組み。
鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの仕組み。 全 3 枚 拡大写真

公益財団法人鉄道総合研究所(鉄道総研)は3月29日、「超電導フライホイール蓄電システム」の技術開発に関する基本合意書を、山梨県・JR東日本と締結したと発表した。

このシステムは鉄道総研と山梨県などが共同で開発したもので、「フライホイール」と呼ばれる大型の円盤を回転させることで、電車の減速時に発生する回生電力を運動エネルギーとして蓄え、加速時は、回転力を再度電力に変換して放電する仕組みになっている。

回生電力はこれまで、変電所の蓄電池に蓄えられていたが、その場合、充放電を繰り返すと、蓄電池が劣化するデメリットがあった。

しかし、超電導フライホイール蓄電システムの場合はその懸念がない上、フライホイールはそれを支える「軸受」部分から超電導で浮上して回転するため、接触部分の摩耗がなく、定期的に大規模なメンテナンスを行なう必要もなくなるというメリットがある。

鉄道総研と山梨県は、2012年度から2015年度にかけて山梨県甲府市の米倉山で実証実験を行ない、その後もシステムの検証や軸受部分の浮上力強化に関する技術開発を進めてきたが、今回は、世界で初めて鉄道事業における実用化を目指して、鉄道総研・山梨県・JR東日本の3者が連携して技術開発に取り組むことになった。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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