2017年に電動モデル専門のハイパフォーマンスブランドになることを宣言したボルボ・カー・グループ傘下のポールスター。その市販第一弾となる『ポールスター1』が北京モーターショー2018に展示されていた。
「電動モデル専門」とはいっても、同社は電気モーターのみで走るクルマだけを生産するわけではない。ポールスター1はモーターを搭載するものの、エンジンを組みあわせたプラグインハイブリッドカーだ。
システムは2.0リットル・ガソリンエンジンが前輪を、モーターは後輪を駆動するもの。つまりは『XC90』などの「T8ツインエンジン」と基本的には同じ仕組みで、プラットフォームもボルボの「90」や「60」シリーズと同じSPA(スケーラブル・パフォーマンス・アーキテクチャー)である。ただし、部品の約50%はポールスター1のために刷新されているということだ。
驚くのはそのスペック。搭載するエンジンは2.0リットルターボでありながら、モーターとの合計であるシステム出力はなんと600ps/1000Nmというから驚異的だ。トルクの立ち上がりの鋭いモーターと力強いエンジンの組み合わせは、衝撃的な加速力を見せてくれるだろう。いっぽうでEVでの航続は150kmに到達するという。
ボルボと吉利とのジョイントベンチャーが約840億円の投資をして建設する中国・成都の工場にて製造が行われ、生産は年間500台ほど。2019年中頃から生産がスタートする計画だ。価格は15万5000ユーロ(約2050万円)からとアナウンスされた。
北京で公開された実車は、エクステリアはすでに市販車といっても遜色のない出来栄え。市販に程遠いコンセプトカーと違って、ボディとバンパーは独立しているし、フロントバンパーにはヘッドライトウォッシャーが出てくる穴まで作り込まれていた。このままの姿で市販すると思って間違いないだろう。トランクリッドを開いた開口部などを見る限りは一般的な市販車のように溶接跡がないのだが、これはカーボン製のボディだからだろう。
ところで記者はこのポールスター1を初めて見たが、既視感を覚えた。その理由を考えたら、スタイリングは2013年のフランクフルトショーで公開されたボルボ『コンセプトクーペ』をベースにしているからだった。
5月16日開催【北京モーターショー報告と中国のEV、自動運転セミナー】