「アウディA3」がなぜいいクルマなのか?知るほど欲しくなる、その理由とは…ジャーナリスト対談

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モータージャーナリスト大谷達也氏と竹岡圭氏がアウディA3の魅力を語る
モータージャーナリスト大谷達也氏と竹岡圭氏がアウディA3の魅力を語る 全 56 枚 拡大写真

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プレミアムブランド、アウディの主力モデルとして20年以上にわたり君臨する『アウディA3』。ボディタイプとしては5ドアハッチバックの「A3スポーツバック」、4ドアセダンの「A3セダン」をラインアップし、さらにそれぞれ前輪駆動の1.4リットルターボエンジン、四輪駆動「クワトロ」の2.0リットルターボエンジンを組み合わせ、その豊富なバリエーションから様々なニーズに応え、愛されているモデルだ。

今回はこのアウディA3が愛される理由、なぜ良いクルマなのかを探るべく、モータージャーナリスト大谷達也氏と竹岡圭氏がそれぞれ試乗し、その魅力を語り合う。アウディA3の試乗は久しぶり、と話す竹岡氏に、国内外でアウディへの取材を数多くこなす「アウディを知る男」大谷氏が解説を加えるという形で対談は進行した。「アウディA3」がなぜいいクルマなのか?その答えとは…。

試乗車
・Audi A3 Sedan 2.0 TFSI quattro sport
・Audi A3 Sportback 1.4 TFSI sport

◆俊敏に、だけど思い通りに走る
Audi A3 Sportback 1.4 TFSI sport
竹岡:アウディA3のスポーツバックとセダンに久しぶりに乗ったんだけど、特に1.4リットルのスポーツバックは、コーナリングの時に腰を落としたようなシュッとした曲がり方をするのね。すごく自然に曲がっていく感じで、こんな気持ちよく走る車だったっけ、というくらい進化を感じましたよ。

大谷:すごくソフトで足がよく動く感じ。じわっと傾いていくからロール量がそれなりにあったとしても、全然怖くない。もう一つは、ちょっと切り始めた時にすっと入っていく。2.0リットルのクワトロでもそうだったでしょう?

竹岡:そうそう。

大谷:乗り味がしっかりしてる。スポーティだから少しロール剛性が固くて、あんまり傾かないですよね。だから全体的に足回りは固く感じるんだけど、すごくいいダンパーが使われているから、固くても不快にならないような足回りのセッティングになっているんですよ。

竹岡:確かに。接地感はあるし、石畳みたいなところを走ると、最初の動きだしはクワトロの方がいいよね。

大谷:1.4リットルと2.0リットル、エンジンの力はどうでした?

竹岡:1.4リットルは、今時のダウンサイジングターボにしては、下のトルクが結構しっかり出ているから街中ですごく使いやすいと思う。2.0リットルの方は、スピードメーターを見たら「あ、結構出てるじゃん」みたいな感じで…

大谷:そう。すごくレスポンスが良いよね。2.0リットルも下からすごいトルクがあるんだけど、それがそのまんま上まで繋がっている。だから、意外と速度感がないというか、気がつくとすごい速度が出ているという(笑)

竹岡:DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)のSトロニックもすごくスムーズになった。

大谷:発進のときとか、駐車場で「あと10cm動かしたい」みたいなことをやるときにも、すごくコントロールしやすくなったよね。要はエンジンのレスポンスが良い、プラス、ギアボックスのレスポンスがいいから、ものすごく俊敏に走る。

竹岡:すごく思い通りに走れる車だよね。

大谷:乗り心地もすごくやっぱりいいんだけど、もう一つは「静かさ」だと思う。

竹岡:このクラス(Cセグメント)としては、すごくしっかり作ってあるな、って感じるもんね。

大谷:一般的に前輪駆動系だと、プレミアムブランドでもざわざわっといろんなノイズが聞こえたりするけど、そういう安っぽさがないんだよね。
Audi A3 Sedan 2.0 TFSI quattro sport
竹岡:そういえば、今回の2台はどちらも「S line」だったよね。

大谷:タイヤサイズが違ったり、足回りもちょっと固かったり、あとは内装もスポーティなものになってますね。走りも見た目もスポーツ風に振ってあるんだけど、全く普段乗りを犠牲にしていない。

竹岡:今回はノーマルと乗り比べたわけじゃないけど、乗り心地良いもんね。

大谷:そう。だからS lineはすごくバリューのあるパッケージですよ。

竹岡:ちょっと違うA3が欲しい!みたいな人に勧めてもOKだよね。

◆歴史が育んだクオリティ
モータージャーナリスト大谷達也氏と竹岡圭氏がアウディA3の魅力を語る
竹岡:乗り心地や静かさはやっぱり「プレミアムブランドのエントリーカーだな」っていう感じがすごくするんだけど、インテリアでもそう思ったの。センターコンソールの樹脂なんかも、ぱっと見て高級そうに見えるし、個性もあるし上質感もある。うまく作ってるなと思って感動した。

大谷:例えばスイッチ類でも、しっとりした、でも少し重みがあるみたいな…すごく精度の高い物を動かしているみたいな感触があって。インテリアは全般的に、多分このクラスでトップだと思う。内容を考えれば実はアウディを買う事ってものすごいお得なんですよ。

竹岡:エントリーモデルをちゃんと作っているメーカーは信用できる。

大谷:多くの人のために良い車を作る、という思想がアウディのベースにあるということだよね。

竹岡:やっぱりアウディって、元々そんな大きい車を作ってなかったから、小さい車をしっかり作ってるのかなっていう感じがするんだけど…

大谷:うーん、それは修正だな。アウディの輪っかが4つである意味は知ってるよね?

竹岡:昔、4つの会社がひとつになったんだよね。

大谷:そう。で、そのうちの2つは超高級自動車メーカーで、残り2つは小さな車を作る自動車メーカーだった。だからもともと小さい車を作るのも得意、というかそういう技術もものすごいあったんだよね。

竹岡:そうなんだ。

大谷:一方で高級車を作る技術というのも、元々一番最初にこのアウディを作ったアウグスト・ホルヒさんという人が一番最初に作ったホルヒというメーカーは12気筒のエンジンを積んでいたりする、超高級自動車メーカーだった。小さな車を作ってきた歴史も、高級車を作ってきた歴史もものすごく長い。アウディとしても、もう100年の歴史があるんですよ。

◆合理的なパッケージングと安心・安全

大谷:歴史の話でいうと、アウディは実は前輪駆動(FF)の歴史がすごく長い。FFでプレミアムカーを作ろう、ということを40年くらいずっとやっているから。けど、FF車って何だか大衆車のための技術、みたいな思いはない?

竹岡:おじちゃんたちはそう言うね(笑)私たちはFF育ちだから。

大谷:(笑)僕が思うに、車で何が一番大事かというとスタビリティなんですよ。要は安定してまっすぐ走るとか、スピンしないとか、それが一番大事。スピンしないのはFR(後輪駆動)よりもFFなんです。

竹岡:引っ張っていくものね。

大谷:そう。よくFRのメリットとして「ドリフトができます」って言うじゃないですか。ドリフトができるというのは何かというと、あれはスタビリティが低いからドリフトになるんですよ。

例えばレーシングドライバーみたいな腕を持っている人はドリフトを楽しんだらいい。でもそうじゃない世の中の99%の人にとっては、僕はドリフトしないFFの方が安心・安全だと思うわけです。

竹岡:それは確かにそうだよね。
Audi A3 Sedan 2.0 TFSI quattro sport
大谷:でも、やっぱりFFだとどうしても上り坂の発進が苦手だったり、トラクションが足りないなんて場面もあるかもしれないけど、だからこそアウディにはクワトロという技術が生まれてるわけです。

竹岡:なるほどね。

大谷:さらに、A3はエンジンを横置きにしている。横置きにすればスペースは広く使えるわけですよね。だから、そのメリットを使う。普通の人たちにとってはFFで十分な性能がありますよね。もうちょっと高い性能を欲しい人たちにはクワトロがありますよね、というものすごくロジカルな考え方で車を作る。

竹岡:FFだからダメ、とか横置きだからダメって決めつけちゃうのは勿体ないよね。

大谷:今、実はこの同じクラスの他のメーカーも、どんどんFFを採用している。やっぱりこのCセグメントぐらいまでは、FFの方が車全体のパッケージとして考えた時に有利だっていうのは多分そういうことからも証明されているんじゃないかなと思います。

◆「そこまでやる?」というこだわり
Audi A3 Sedan 2.0 TFSI quattro sport
竹岡:アウディA3といえば、やっぱりスポーツバックのイメージがすごく強い気がするんだけど、セダンって、地味じゃない?存在としても地味だし、カテゴリーとしても地味な気がするし…

大谷:アウディってデザインもそうですけども、派手に主張したりしないですよね。どちらかというと街の景色に溶け込んじゃう感じ。そんなに目立ちたくないけど、やっぱり質の高いものを欲しいって思う人たちがアウディに乗ってるんじゃないかなと思うんですよ。じゃあ、そんな中でなんでセダンなのかというと…

竹岡:しかもA3のね。

大谷:やっぱりトランクルームが独立しているセダンのあの形に安心感がある。長い間慣れ親しんだという人たちもいるわけで。

だけど、A3セダンというのはセダンという名前はついているけど、実はルーフが後ろに行くに従ってなだらかに少しずつ下がっていて、リアウインドウがすごく寝ているからクーペのようなデザインをしているんですよね。

竹岡:なるほどね。

大谷:通常こういうクーペのようなデザインにすると、後部座席に座った時に頭がぶつかっちゃったりする。特に僕なんかは座高が高いから(笑)だけど、このクルマは大丈夫なんですよ。

竹岡:実用性をすごく考えているんだ。

大谷:だから、デザイン的にはあんまり派手なところはないかもしれないけど、実はそのきれいなデザインを作っていながらスペース効率も高いっていうのがアウディA3セダンの特徴なんですね。アウディのクルマはみんなそうだけど、スタイリングがすごく良くて、さらに中に乗ってみると結構広いっていうクルマが多いんです。そういう技術やデザインが、ものすごく優れている。
Audi A3 Sedan 2.0 TFSI quattro sport
竹岡:さっき聞いて、見て、びっくりしたんだけど、A3スポーツバックとセダンって、てっきり後ろだけ変えているんだと思ってたの。

大谷:普通、そうだよね。だけど、A3はボンネットのデザインも違うし、フロントフェンダーのデザインも、ボディサイドのキャラクターラインの入り方も全部違う。A3セダンの方がよりダイナミックで、重心が低く見えるデザインに仕上げられていて、スポーツバックの方はマイルドって言ったらいいかな。ファミリー向け的な優しい感じのデザインに仕上がってるんですよ。

竹岡:そこまでやる、普通?(笑)でも、スポーツバックって言うとA5やA7みたいなかっこいいイメージもあるけど、やっぱりセダンっていうとどうしてもご年配の方向けなのかなとか考えちゃう。日本だと特に若い人が選ばないイメージがあるでしょう。

大谷:それでいうと、このA3セダンは「4ドアクーペ」って言った方が、実態をよく表しているのかもしれない。

竹岡:そう言われると、何かしっくりくるかも。

◆知れば知るほど好きになる
モータージャーナリスト大谷達也氏と竹岡圭氏がアウディA3の魅力を語る
竹岡:何だかアウディってさ、食わず嫌いの人が結構いると思うの。説明を受ければ受けるほど、あ、なんかすごくよく作られたいい車なんだっていう気がしてくる。欲しくなっちゃうよね。

大谷:ありがとうございます(笑)だから車の細かいところにこだわりを持つ人で、「アウディが好き」ってアウディを買ってるお客さんは結構たくさんいらっしゃるんですよね。

SトロニックのDCTを初めて量産車に採用したのがアウディだったり、今や当たり前になったクワトロやダウンサイジングエンジンもそうだし、オールアルミボディ(アルミスペースフレーム)を高級車に採用したのもアウディが最初だった。でもそれもあんまり言わないんですよね。そういう会社。

竹岡:一見、派手さはないから、モデルチェンジしても違いがわかりにくいじゃない。もっと言った方が良いよね、絶対。だって、RS3やS3じゃないのにこんなに語るところがあるとは思わなかったもん。

大谷:そういう人たちにこそしっかり語りたいし、知ってほしいですよね。

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モータージャーナリスト大谷達也氏と竹岡圭氏がアウディA3の魅力を語る
【プロフィール】
大谷達也|モータージャーナリスト/AJAJ会員/日本モータースポーツ記者会会員
1961年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、電機メーカーの研究所にエンジニアとして勤務。1990年に、二玄社に入社し、CAR GRAPHIC編集部に配属。2002年、副編集長に就任。2010年よりフリーランスのライターとして活動を開始。現在は自動車雑誌、ウェブサイト、新聞、一般誌などに記事を寄稿。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

竹岡圭|モータージャーナリスト・タレント
「クルマは楽しくなくっちゃネ!」をモットーに、さまざまな媒体で「喋って・書いて・走って」を実践する女性モータージャーナリスト。テレビのバラエティ番組のMCから、官公庁の委員まで、硬軟幅広く携わっている。モータースポーツでも、耐久レースやラリーレイドなど数々のレースに参戦、現在は全日本ラリー選手権に自らチームを立ち上げチャレンジ中。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J.)副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

《まとめ:内田俊一、宮崎壮人》

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