意外と見られている?営業マンの運転マナー、体験型講習で「意識変えたい」

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ショーファーデプト取締役・マネジャーの竹岸久雄氏
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「丁寧な運転が技術を超える」をスローガンに、運転技術だけでなくドライバーのマナー向上に向けた独自プログラムによる講習をおこなうショーファーデプト。企業向けドライバー講習は数ある中、同社の講習は運転技術の向上“だけではない”ところ、そしてそのターゲットに明確な違いがあるという。取締役・マネジャーの竹岸久雄氏に、ショーファーデプトのビジネス、そのねらいを訊いた。

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◆「ジョブドライバー」の意識を変える

----:まず、ショーファーデプト立ち上げのきっかけについて教えてください。

竹岸:「営業車に乗っている人たちのマナーって、良くないよね」というところが原点です。プライベートな空間という意識が強いのか、クルマの中では傍から見ていてこれはいかがなものか、という行為があります。そんな行為が営業先の人に見られて、損をしないのかなぁ…というのが、きっかけでした。

都内は渋滞も多いし、何故か皆さん何となく殺気立って走っている感じがするんですよね。そんな中で、周囲の行動を見て憂さ晴らし的にSNSを使って投稿されちゃったりする。そんな時代ですから、せっかくお客様の前ではきちんとした態度でやられていても、クルマの中がこうだと勿体ないなと思ったわけです。調べてみると、さすがに大手の企業ですと、こうした教育も行き届いているのですが、オーナー企業の場合だとかなり無防備なんですね。そこで、こうした営業の方に特化した実技だったり、マナーの講習をするのは、ニーズがあるんじゃないか、と考えました。

----:ビジネス向けの運転講習というのは存在していると思うんですが、それらに対してショーファーデプトが差別化しているポイントとは。

竹岸:他の講習でやられているのは、運転技術そのものを上げようという講習がほとんどなんですよね。技術の場合、運転のセンスも問われるものです。しかし、「丁寧な運転」ということであれば、接客と同じように誰にでもできるんです。お仕事の延長線上で、その部分に拘りましょうよ、ということをお伝えしている点が、他との差だと思います。我々が目指しているのは、技術を向上させるのではなく、丁寧な運転に務めるということなんです。

----:つまり、いわゆる営業車というのは単なる移動手段としてしか使われていなくて、クライアント先まで行って仕事が出来ればそれでいい、というのが今の状態だと。その部分の意識改革をしよう、ということでしょうか。

竹岸:仰る通りです。

----:御社のホームページを見ると、「ジョブドライバー」という言葉があります。これはどういう定義なのでしょうか。

竹岸:プライベートで運転する一般のドライバーと、バスやタクシーなど、クルマを走らせることで賃金を得ている方をプロドライバーと呼び、そうではなく、業務上クルマは不可欠だけど、運転をすることで賃金を得ているわけではないドライバーを、私どもでジョブドライバーと名付け、その方たち向けの講習をさせていただいています。例えば、物件を探しているお客様を乗せてクルマを運転する不動産屋さんですとか、お医者様に医薬品をお届けする医療関係、あるいは美容院に商品を納入する等々、色々な職種があると思います。

----:特に運転が荒い業種というのはありますか?

竹岸:もう職業病のようになりつつありますが、営業車を見るとクルマの状態をチェックしたり写真を撮ったりしているんですが、社名の書いてあるようなところで言うと、医療関係なんかはわりと傷の付いているクルマが多いですね。あとこれは私が内情を知っているということもありますけど、葬儀業界。営業車をモノとしか見ていない感じがします。というわけで、医療だったリ、葬儀だったり、人の命に係わる業種に案外荒さが目立ちますね。

◆企業イメージをダウンさせない運転マナー

----:マナーの講習をするということですが、具体的にはどのような講習なのでしょうか。

竹岸:まず、大きく実技と座学に分けています。実技で言いますと、どのような商品を運ぶのか、その用途に別けて独自のチェック表を作っています。単にハンドルの切り方が荒いよねとか、アクセルのオン・オフが雑だよねというのではなく、アクセルで言えばオンにした時、オフにした時の差が激しいと、積んでいる商品崩れたりしないですか?だからそういうところに気を付けて欲しいですよ、というような、注意の仕方にも独自性を持たせています。ですから極端な話、100社あったら100通りのチェックをさせていただいております。

我々の売りとして、講習そのものをイージーオーダーとしており、先ずクライアント様のお話を伺って、その悩みですとか問題点をお聞きして、適切な実技や座学のカリキュラムをお作りしています。座学の方も行動心理学や交通心理学を取り入れています。如何にして納得して聞いていただけるか、あるいは興味を持って聞いていただけるかを考慮し、時には体を動かしていただいて講習を進めさせていただきます。

----:体験型の講習ですね。体を動かすというのはどういう講習なのですか?

竹岸:例えば、人間の足は踵を中心に右方向にはよく動くけど、左方向には動かしにくいという、「内旋角」の講習で実際に足を動かしていただいたり、あるいは運転姿勢が悪いと急ブレーキが踏めませんよ、というシートの背もたれとドライバーのお尻の間に空間があるとどういうことになるかなど、体を使って体験して頂いたりしています。クライアント様の前ではきちっとした態度で接しているのですが、何故かクルマに乗りこむとネクタイを緩めてダルそうな態度になる営業マンって多いんです。でもそれがクライアント先の関係者に見られたら、クライアント側のその営業マンに対するイメージも変わるわけで、これは大きなイメージダウンにも繋がりかねないわけです。

----:一般的な運転講習の目的となるような事故のリスクを減らす方策だとか、燃費を節減する方策ではなく、あくまでドライバーの意識を変えると。

竹岸:その通りです。

----:講師陣にはモータージャーナリストの方々が名を連ねています。どのように関わっていらっしゃるのですか。

竹岸:実技の同乗チェックと座学の講師として関わって頂いています。マナーや接遇のプロだけの話ですと物足りなさがありますから、ひとつは説得力を高めるという点ですね。また、やはりクルマに関してはプロですから、運転だけでなく、講習に関するアイデアであったり、先進的な情報であったり、あるいはコネクションを使ってメーカーさんの動画を使わせていただくなど、より講習を濃いものに出来るという点で、関わってい頂いています。

◆芸能プロダクションの“ショーファー”講習も

----:ショーファーデプトのスタートからこの2年半ほどで、どのような企業が興味を示し、講習を受けているのでしょうか?

竹岸:一番新しいところでは、和光ケミカル様、まずは新入社員の方を対象とした講習を受けていただき、今後ベテランの社員様向けの講習をやらせていただく予定になっています。これまでにやらせていただいた企業様としては、キヤノン・システムアンドサポート様、花門フラワーゲート様、赤坂青野製菓様等々ありまして、まだお待ちいただいていらっしゃる企業様として、プリマハム様、日比谷花壇様、生和コーポレーション様などがあります。

----:職種や業態はさまざまですね。実際に講習を受けた企業からの反響はいかがですか?

竹岸:まあ正直言って初めのうちは「つまらなかった」というご返事を頂きまして…この2年半をかけて我々も内容の向上を図ってきたわけですが、今年に入って中々ご好評をいただいています。

----:リピーターとなっている企業はいるのですか?

竹岸:はい。特に最近の和光ケミカル様の例では、とりあえず新入社員様向けのみだったところが、ベテラン社員様向けにも頼みたいということで、今、その準備をしているところです。また、部署は異なりますけれど、キヤノン・システムアンドサポート様は2度目をお待ちいただいております。単に講習をするだけでなく、こちらから企業様向けのご提案などもさせていただき、営業車に関するコンサルティング業務も今後やっていけたら、と考えています。

----:今後、ターゲットの拡大なども計画しているのでしょうか?

竹岸:元々は完全に我々がジョブドライバーと名付けた営業マンの運転講習に特化した形で始めたのですが、実は非常にお声が大きいのが、芸能プロダクション様なんです。タレントさんを乗せて移動されるドライバーの講習を、という声を頂きまして、すでにワンダーシティ様には講習をやらせていただきました。ここは作曲家の久石譲さんが所属する音楽プロダクションで、久石さんを乗せるドライバーさんの運転講習をやらせていただきました。我々の社名にもある“ショーファー”とは、まさにこうしたVIPを乗せるドライバーを指しますから、こうしたところも一つのターゲットとして考慮していこうかと考えています。

《宮崎壮人》

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