【SUPER GT 第3戦】“ホーム”の鈴鹿でNSXが予選1-2-3、ポールは野尻&伊沢のARTA…GT300はK-tunes RC F首位

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GT500クラスのポールを獲得した#8 NSX。
GT500クラスのポールを獲得した#8 NSX。 全 16 枚 拡大写真

19日、SUPER GT第3戦の公式予選が鈴鹿サーキットで実施され、GT500クラスはホンダNSX勢が1-2-3を占拠する結果となった。ポールは野尻智紀&伊沢拓也のARTA。GT300クラスは新田守男&中山雄一のK-tunes RC F GT3がポールを獲得している。

近年は8月、夏の鈴鹿1000kmレースがSUPER GT唯一の鈴鹿ラウンドとなっていたが、今年は同レースが鈴鹿10時間耐久レースとなりSUPER GTのシリーズ戦からは外れた。そのため、初夏の5月に通常の300km戦としてSUPER GT鈴鹿ラウンドが別途開催されることに。鈴鹿での300km戦実施は8年ぶりである。

シリーズ第3戦を迎え、GT500クラスには早くもウエイトハンデ(第6戦まではドライバーズポイント×2kg)が50kgを超え、燃料流量リストリクターの調整への一部振りかえ措置を受ける車両が出てきた。前戦優勝のポイントリーダー、#23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)はハンデ数値52kgのうち17kg分が1段階目の“燃リス調整”に振りかえられ、35kgを実重量として積む。今年は昨年よりも振りかえの調整度合いが厳しくなっているため、1段階目といえどもエンジンパフォーマンスに小さくない影響を及ぼす可能性がある(GT300にもハンデ50kg超のマシンはあるが、こちらには振りかえ措置はない)。

15台参戦のGT500クラス、そのうち#6 WAKO'S 4CR LC500(ブリヂストン=BS)はF.ローゼンクヴィストがフォーミュラEとの日程重複により欠場、今回はJ.ロシターが助っ人として加わり、エースの大嶋和也と組む。他の14台はレギュラーコンビでの臨戦だ。

この日の鈴鹿は好天ながら、風が相当に強く、グランドスタンド裏のイベントゾーンではステージプログラムがいくつかキャンセルになったほど。この風がストレートで追い風、S字を中心とする高速スラローム区間では向かい風となってダウンフォース増大に寄与する“いい風”であり、午後の2段階ノックアウト予選(路面ドライ)はレコードラッシュの展開となっていく(従来の鈴鹿戦よりラウンド数的に見てハンデが軽いこと、時季的に涼しいこと等も影響したと見られる)。

そこでGT500のNSX勢が快調なスピードを披露した。Q1では5台全車がトップ8に入ってQ2進出を果たし、そのQ2で予選1-2-3をかためたのである。長い直線がメイン要素の富士(第2戦)では苦闘した彼らが、中高速コーナリング主体の鈴鹿で一気に輝きを取り戻した。しかもホンダの総本山での大躍進、アピール度抜群の内容と結果になっている。

1-2-3はBSタイヤ装着のNSXが占めた。ポールポジションは#8 ARTA NSX-GT(野尻智紀&伊沢拓也/BS)。Q1担当の伊沢が1分44秒806のトップタイムで鈴鹿を驚愕させ、Q2では野尻が1分44秒319までタイムを詰めてポールを決めている。

「朝の公式練習の走り出しからマシンの感触が良かった」旨を両選手は語る。そしてQ1で伊沢が「アタックもうまくいきました。タイムを見て驚きましたけど」と振り返る見事な走りを見せ、それを受けた野尻が「伊沢選手のタイムが自信になり、Q2では思いっ切り攻められました。そういう信頼が僕たちのチームにはあるんです」という好連携。伊沢が移籍してきて3戦目だが、ARTAコンビはうまく機能しはじめているようだ。

「これまでの鈴鹿戦と違ってレース距離が短いということは、トップの位置からスタートできる利も大きい状況。それも活かして、力強いレースをしたいと思います」と語って、野尻は決勝を見据えた。明日はコンビ初優勝を目指しての300km全速力バトルになる。

GT500クラス予選2位は#100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴&J.バトン/BS)、3位は#17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大&小暮卓史/BS)。NSX勢は他にも#64 Epson Modulo NSX-GT(B.バゲット&松浦孝亮/ダンロップ=DL)が5位、#16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀&中嶋大祐/ヨコハマ=YH)が7位につけた。

レクサス勢最上位は4位の#1 KeePer TOM'S LC500(平川亮&N.キャシディ/BS)、日産勢トップは6位の#12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹&J.マーデンボロー/BS)。彼らの反撃にも決勝では注目したい。なお、トップハンデの#23 GT-Rは15位。決勝でどこまで追い込んでくるか、こちらも興味深いところだ。

GT300クラス(29台参戦)もレコードラッシュの予選になった。そのなかで朝の練習走行から好調な走りを見せていたのがレクサスRC F GT3勢。そして#96 K-tunes RC F GT3(新田守男&中山雄一/BS)がポールを獲得した。

中山は「いろんな作戦をとってくるチームがありそうですけど、トップでスタートする僕たちは自分たちの作戦で走れる。チームみんなで優勝を勝ち取りたいです」と決勝の展開を睨む。勝利できれば、新田にとっては前戦でかつての僚友・高木真一(#55 BMW M6)に一歩先をいかれたGT300通算最多勝争いで並び返す勝利になる。

GT300クラスの予選2~6位は以下の通り。もう1台のRC F(5位)も含め、強いところがしっかり上位につけてきており、決勝の激戦を予感させもするところだ。

2位 #25 HOPPY 86 MC(松井孝允&坪井翔/YH)
3位 #0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝&片岡龍也/YH)
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人&山内英輝/DL)
5位 #60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹&宮田莉朋/YH)
6位 #65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹&蒲生尚弥/BS)

前戦優勝で今回ハンデ52kg、鈴鹿はマシン相性も良くなさそうだという#55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一&S.ウォーキンショー/BS)は予選20位。

300km、52周の決勝レースは、スタートに向けてのパレードラップ開始予定が明日(20日)の午後2時40分となっている。両クラスとも注目ポイントの多いなかでの極限スピードバトルとなりそうだ。

《遠藤俊幸》

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