鋳造部品の砂型を3Dプリンターで作るダイハツの技術…人とくるまのテクノロジー2018

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ダイハツ(人とくるまのテクノロジー2018)
ダイハツ(人とくるまのテクノロジー2018) 全 3 枚 拡大写真

パシフィコ横浜で開催されている「人とくるまのテクノロジー展2018」。ダイハツブースはリッターカークラスのミニバン『トール』と軽エコカー『ミライース』の現行車2台を展示するシンプルな構成。

展示物のなかに一般的にはあまり目にする機会のない砂型(エンジンなど中空部分がある鋳造部品を作るとき周囲に鋳込み、それを崩すことで中空となる)があったが、それをわざわざ置いたのには理由があった。3Dプリンターで製作したものなのだという。

「量産車は従来の工法なのですが、試作品を作るときに使う砂型は3Dプリンター化しました。最大のメリットは何と言っても作るのが早いということ。砂型を作るのには実は大変な手間がかかっていて、木型から起こして砂型が完成するまでに大体1カ月ないし1カ月半を要していました。ところが、3Dプリンターを使うと設計から5時間ほどで砂型ができてしまいます。それだけいろいろなことを試せるようになりましたし、普通の砂型ではできなかった形状も作れるようになりました」(ダイハツ関係者)

量産車の製造に使うには若干コストが高いのが難点だが、「今後、燃費性能などにより高い付加価値がつくようになれば、量産で使うメリットも出てくると思う」(ダイハツ関係者)という。エンジン性能の向上は生産技術によっても左右されるということを実感させられる興味深い技術展示だった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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