システムに“コントロール機能”をアドオン…メインユニット交換 その2

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『ダイヤトーンサウンドナビ』の装着例(製作ショップ:M.E.I.)。
『ダイヤトーンサウンドナビ』の装着例(製作ショップ:M.E.I.)。 全 1 枚 拡大写真

クルマの中でもっと良い音を聴きたいと考えたときのアプローチとして、“コントロール機能”の追加をおすすめする短期集中連載をお届けしている。第3回目となる今回は、「メインユニット交換」の続編として、「AV一体型ナビ」を導入するケースについて解説していく。

■予算を抑え目にしたい場合は、“サブウーファー出力”の有無を要チェック!

ひと言で「メインユニット」と言ってもさまざまなタイプが存在しているので、前回は、“非ナビタイプ”に絞って考察した。それに引き続いて今回は、「AV一体型ナビ」について考えていく。

さて、“コントロール機能”を追加するというコンセプトで「AV一体型ナビ」を導入しようとするのなら、どのような観点で製品選びをすると良いのだろうか。

「AV一体型ナビ」は、グレードによって価格の差が相当にある。ではまず、予算をなるべく抑えたいと思ったときにはどのようなモデルを選べば良いのかというと…。

当特集ではフロントスピーカーのツィーターとミッドウーファーを個別にコントロール可能な“タイムアライメント”と、バンド数の多い“イコライザー”の2つを、必要な“コントロール機能”として推奨しているのだが、それが搭載されたモデルには手を伸ばせないという場合には、“サブウーファー出力”が備えられたモデルを購入することをおすすめしたい。

“サブウーファー出力”とは、サブウーファーを鳴らすための専用音声出力だ。これが装備されている場合、基本的にはサブウーファーの音とフロントスピーカーの音を上手く一体化させるための機能も併せて搭載されているはずだ。

これがあると、サブウーファーを導入した際の音の整い方に大きな差が出る。“クロスオーバー”という機能が使えるようになり、フロントスピーカーから放たれる音の低音成分をカットして、サブウーファーから放たれる音の上側の音をカットできるようになる。これを使いこなすことで、フロントスピーカーの音とサブウーファーの音がスムーズに繋がるようになるのだ。低音強化が視野に入る場合には、“サブウーファー出力”の有る無しは、ぜひともチェックしておきたい。

■サブウーファーを使わないときでも、“サブウーファー出力”は便利に活用可能!

さらにいうと、サブウーファーを搭載しなくても“サブーウーファー出力”は便利に活用できる。サブウーファーの音とフロントスピーカーの音とを上手く一体化させるための機能である“クロスオーバー機能”が、サブウーファーを装着しないときでも有効に機能するのだ。

実はドアのスピーカー(ミッドウーファー)はサイズ的に、超低音を出すことを苦手としている。しかしそれでもミッドウーファーには超低音の信号も送られてくる。なので致し方なく、ミッドウーファーはそれをも再生しようと試みるのだが、結果、歪んだ超低音を少なからず鳴らしてしまうことになる。

また、ミッドウーファーが低音を再生することで、別の弊害も生まれる。それは、「ドアの内部の鉄板をビビらせること」である。“デッドニング”を施せばそれに対処することが可能となるが、それが施されていない場合は、音量を上げていくとどうしても鉄板がビビってしまう。鉄板をビビらせるのは主に低音成分なのである。

しかし、“クロスオーバー”を使ってミッドウーファに送られる音楽信号の下側の音をカットすることで、これらの弊害をある程度抑制することが可能となるのだ。

もちろん、カットし過ぎると必要な低音が聴こえなくなるので、上手く塩梅させる必要があるが、使いこなせればサウンドをある程度スッキリさせることが可能となる。“サブウーファー出力”は、このような使い方をすることもできるのだ。覚えておいて損はない。

■“コントロール機能”の優れた「AV一体型ナビ」を望むなら、“タイムアライメント”をチェック!

予算次第とはなるが、これよりもさらに“コントロール機能”が充実した「AV一体型ナビ」を手にしようと思ったら、続いてチェックすべきは“タイムアライメント”が搭載されているか否かだ。前にも説明させていただいたように、これを運用することで、左右のスピーカーから等距離の場所にいるかのような状態を作り出せる。これによって聴こえ方をガラリと変えることが可能となるのだ。

ただ、“タイムアライメント”が搭載されていても、ツィーターとミッドウーファーを個別に制御できないタイプである場合も多い。そうであると少々物足りない状況であると言わざるを得ないが、しかしそうであっても、これが搭載されているか否かの違いは大きい。簡易的なタイプであっても搭載されていれば音的に有利であることは間違いない。また、このようなタイプでも、スピーカーに付属の“パッシブクロスオーバーネットワーク”が“バイアンプ接続”を可能としている場合は、ツィーターとミッドウーファーを個別にコントロールすることも可能になる。この点をみても、簡易的なタイプでも“タイムアライメント”が搭載されている意義は大きいといえる。

だが、理想形は、“パッシブクロスオーバーネットワーク”のタイプに関わらずに、「ツィーターとミッドウーファーを個別にコントロールできる」タイプの“タイムアライメント”が搭載されていること、である。

それが可能となる「AV一体型ナビ」は、現在2シリーズだけしか存在していない。三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』とカロッツェリアの『サイバーナビ』、この2つだけだ。

さらに『ダイヤトーンサウンドナビ』と『サイバーナビ』にはともに、ハイグレードモデルも用意されている(『ダイヤトーンサウンドナビ』の場合は、2017年モデルからはハイグレードモデルのみとなっている)。そしてそれらには、正真正銘に“ハイエンドカーオーディオユニット”と呼ぶべき能力が備えられている。“タイムアライメント”のみならず、“イコライザー”も詳細にコントロールできるタイプとなり、それ以外でも音に対するこだわりが満載されている。

もしも“コントロール機能”にこだわるのであれば、これらハイグレードユニットをチョイスするのがベストだ。

今回はこれにて終了とさせていただく。次回も“コントロール機能”を導入する方法についての考察を続行する。お楽しみに。

ビギナー必見! システムに“コントロール機能”をアドオン! Part3「メインユニット交換 その2」

《太田祥三》

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