スバル不適切検査、エラーを有効に934件追加判明…国交省の立入検査で指摘受け

自動車 社会 行政
スバル本社ビル(渋谷区)
スバル本社ビル(渋谷区) 全 2 枚 拡大写真

国土交通省自動車局は、SUBARU(スバル)が実施した完成検査の燃費・排出ガス測定の不適切事案について、徹底調査と再発防止をまとめて報告するように同社に指示を出した。道路運送車両法上の措置。

スバルから同局に伝えられた不適切事案は、5日現在で把握されているだけで934件あった。

スバルは昨年からの完成検査の不適切事案について約4か月にわたって社内調査を実施。4月27日に報告書を提出した。今回の不適切事案は、その報告書の中には入っていない。報告書を受けて国交省は5月14日~16日の3日間、群馬県太田市にある群馬製作所と矢島工場、および本社に立入検査を行ったが、その検査でスバルに対して疑問点を指摘したところ、試験方法について934件の新たな不適切事案が浮上した。934件の内容は次のとおりだ。

燃費や排出ガスの測定は、シャーシダイナモ上に車両を載せて、一定の速度に保ってから測定する。その中で測定モードに合わせられずに失敗(トレースエラー)した状態で完成検査を完了させてしまった事例が904件。

また、条件を一定にするために、測定室の湿度を一定範囲内に保っておくべきところを、規定の30~75%の範囲外でも検査を実施して有効な値にしまった事例が31件あった。

4月に公表されたデータの数値そのものを書き換えた事例は、検査員らが測定値のばらつきを指摘されることを避けるために行ったと報告されている。測定方法そのものがまちがっていた事例がなぜ起きたか。スバルは原因や背景、また検査員の動機などの究明を行うとした。

石井啓一国交相は、拡大する同社の完成検査不正に対して次のようにコメントした。

「4か月もの期間をかけて調査を行ったにもかかわらず、新たな書き換え等の事案が判明したことは、スバルにおける事案の全容解明に対する取り組み姿勢に疑問を抱かざるを得ず、極めて遺憾。引き続きスバルにおける完成検査の不適切事案の全容解明について、厳正に対処していく」

《中島みなみ》

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