コンセプトカーで不織布の良さをアピール、旭化成…ANEX 2018

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旭化成のコンセプトカー、AKXY(アクシー)
旭化成のコンセプトカー、AKXY(アクシー) 全 4 枚 拡大写真

12年ぶりに日本で開催されたアジア不織布産業総合展示会「ANEX2018」(6~8日、東京ビッグサイト)には、アジアの素材メーカーを中心に747社が出展した。その中でコンセプトカーを展示して、自社の不織布をアピールしたのが旭化成だ。

そのコンセプトカーとは、昨年発表して話題を呼んだ『AKXY(アクシー)』だ。同社が「自動車の安全・快適・環境への貢献」をテーマに開発した、実走可能な次世代の車である。この車には安全運転をサポートするドライバーセンシングテクノロジーや、快適な車内空間をつくり出す繊維やコミュニケーションシステム、環境負荷軽減に貢献するさまざまな高機能樹脂などが搭載されている。その数は35にものぼる。

その車のカーシートやドアトリムに使われているのが「ラムース」と「エルタス」という不織布で、同社自慢の製品だ。「不織布をただ並べて展示しても、来場者に足を止めてみてもらえませんので、コンセプトカーを展示して関心も持ってもらうようにしました」と同社関係者は話す。

その効果は絶大で、ブースの近くを通る来場は必ずと言っていいほど、足を止めてコンセプトカーを眺めていた。スマホなどで写真を撮る人も少なくなく、英語や中国語で書かれたパンフレットを持って行く。

今回、旭化成では用途に合わせた不織布を約10種類紹介していた。その素材もポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、セルロースとさまざまで、なかには開発中のものも含まれていた。

それがセルロースナノファイバー(CNF)で、植物由来の夢の素材といわれている代物だ。しかし、まだコストと耐衝撃性に課題があり、自動車向けとしては使われていない。現在、化学会社や製紙会社が鎬を削って開発を進めている段階だ。

「なんとかいち早く実用化に結びつけ、この分野でリードしていきたい」と同社関係者は話していた。

《山田清志》

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