ベンツオーナーはクルマを長く大事に乗る…ヤナセクラシックカーセンター

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ヤナセ横浜ニューデポー・クラシックカーセンター工場見学
ヤナセ横浜ニューデポー・クラシックカーセンター工場見学 全 29 枚 拡大写真

ヤナセは、テュフラインランドより「クラシックカーガレージ」としての認証を得て、横浜に「クラシックカーセンター」をオープンした。その開所式では、敷地内のヤナセの工場見学も行われた。

【画像全29枚】

このうち、エンジンやトランスミッションなどの修理、オーバーホール(OH)などを行うユニット課と板金塗装を行うエリアを取材することができた。

ユニット課で扱うのは、エンジン、トランスミッション、トランスファー、アクスル、ステアリングギアボックス、ドライブシャフトなどだ。全国のヤナセディーラーから依頼された修理、OHを行う。作業スペースは建物の2階にあり、大型のリフトで上に上がる。

まず目に飛び込んでくるのはラックに鎮座した大量のトランスミッション。すべてが修理依頼品で、部品待ち、作業が終わって組付け待ちのものも並んでいる。ここでは主にメルセデスのユニットを扱っているという。ラックに並べられたものもほぼすべてがメルセデスのものだ。ざっと数えても50基はありそうだ。全国からの修理となるとそれくらいになるのだろう。

メインの作業台は3つ。専属のメカニックも3人。全員が20年以上のベテランメカニックだ。別の工場でエンジンなどのユニットが車体から降ろされ、ここに運ばれて、修理が行われる。テストベンチ4台あり、FF用、FR用、ハイブリッド用などが揃っている。持ち込まれると、まずテストベンチで動作や油圧などのデータをとる。その上で分解・修理を行い、各部の数値をすべてメルセデスの規定値に合わせられる。組みあがったら再びベンチテストで数値を確認する。これをクリアしたら、修理完了となる。

『190E』、『C200』、『300SE』などのトランスミッションやアクスルが作業台に乗せられていた。走行距離はどれも20万km、30万kmと年期が入っている。偶然かもしれないが、この日の作業対象は縦目ベンツのものが多かった。この年式のオーナーは修理やOHで長く乗り続けるのだろう。クラシックカー(オールドタイマー、ヤングタイマー)のメンテナンスは、ヤナセやメルセデスオーナーにとってはむしろ普通のニーズなのだ。

なお、この工場での修理対象は、およそ半分が20年以上前のクルマだそうだ。

続いて板金塗装エリアだ。板金エリアは、車両ごとのスペースがあり、修理中のクルマが並んでいた。バンパーや補器類がはずされ、キズやへこみの補修、部品交換が行われていた。この日は、ドアやボンネットを叩く板金作業をしている車両はなかったが、必要ならここで板金作業も行う。フレーム修正も修正機を持ち込んで行うそうだ。

塗装ブースは、見学できたもので4室。最大のものはリムジンなども作業できる9メートルのブースだ。仕上げの磨きを行うエリアには、蛍光灯、LEDランプ、太陽光に近い高演色タイプの3種類の証明が取り付けられている。

クラシックカーやビンテージカーの修理もこれらの工場で作業を行うそうだ。もちろん、テュフの認定も受けている。作業スペースや使う工具なども基本的には大きく変わらない。クラシックカーならではの部品や修理では、専用の部品ルートを頼ることもあるそうだ。板金や外装の補修はほぼ対応できるが、これからは、3Dプリンタの利用なども考える必要があるそうだ。

塗装については、オーナーがオリジナルの色や塗料にこだわる人もいる。パートナー企業のアクサルタは、デュポンの塗装事業部がベースになっている会社だ。この会社は、オールドメルセデスのカラーチャートと色を独自に管理している。また、専用の測色器を使って色の成分や塗料の配合などを数値化して実車の色に合わせることもできる。

環境に関する法規制のため、当時とまったく同じ塗料や溶剤は使えないが、色の再現はほぼ問題ないそうだ。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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