ブリヂストンなど、低燃費性と高破壊強度を両立したゴム複合体を開発 産学連携

自動車 ビジネス 企業動向
ゴムの強度測定方法の概念図
ゴムの強度測定方法の概念図 全 5 枚 拡大写真

ブリヂストンは6月25日、北海道大学グン・チェンピン教授らとの共同研究で、低燃費性と高破壊強度を両立したゴム複合体を開発したと発表した。

今回の発表は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の1つである「超薄膜化・強靭化『しなやかなタフポリマー』の実現」の一環としてブリヂストンが取り組んだ研究成果だ。

同プログラムでは、産官学連携により、革新的な強靭高分子複合体「タフポリマー」の開発を推進している。これまでにない高強度なゴム材料を実現できれば、耐久性能を維持したままタイヤの各部材をより薄くすることができ、省資源化と低燃費性能の向上につながる。2016年には、同プログラムにおいて、タイヤの燃費特性に寄与する材料物性を維持したまま、従来二律背反の関係にある強度を約4倍向上するゴム材料を開発した。

今回、ダブルネットワークと呼ばれる構造を用いることで、さらなる高強度化を目指した。ダブルネットワーク構造は、北海道大学のグン・チェンピン教授がタフポリマー化の手法として提唱してきた原理。ゲル材料などにて、劇的な強靱化の効果が実証されていたが、これまでゴム材料に適用された例はなかった。今回のプログラムでは、このダブルネットワーク構造をゴム材料に取り入れることで、タイヤの燃費特性に寄与する材料物性の向上と高強度化という、2つの相反する材料の性質を両立させることに成功した。

その結果、タイヤの燃費特性に寄与する材料物性を15%向上するとともに強度を約5倍に向上した全く新しいゴム材料を実現。現在、新規ゴム材料を用いたタイヤの試作・評価を行っており、2020年代前半の実用化を目指している。

なお今回の研究は、チェンピン教授のほか、東京大学 伊藤耕三教授、京都工芸繊維大学 浦山健治教授、理化学研究所 高田昌樹グループディレクター(東北大学 教授)、九州大学 高原淳主幹教授、九州大学 田中敬二教授、お茶の水女子大学 奥村剛教授、東京大学 梅野宜崇准教授、名古屋大学 岡崎進教授、東京工業大学 大塚英幸教授らと共同で行ったもの。

《纐纈敏也@DAYS》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ついにハイブリッド化! 新型トヨタ『ランドクルーザー300』の発表にSNSでは「バク売れの予感」など話題に
  2. 【スズキ ソリオ 新型試乗】乗り心地と静粛性はクラストップ、だが「損をしている」と思うのは…中村孝仁
  3. 日産 リーフ 新型をライバルと比較…アリア、テスラ、bZ4Xと何が違う?
  4. トヨタの顧客は1億5000万台…バリューチェーンで財務基盤強化
  5. 『GRカローラ』『フリード』『ソリオ』の走りを変える! ブリッツの「スロコン」「スマスロ」が適合
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  5. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
ランキングをもっと見る