イタリア生まれのEVミニカー『BIRO』、生みの親が語るその魅力とは

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『BIRO』の生みの親であるマッテオ・マエストリ氏(右)とBIRO JAPANの桂田宗慶代表(カツラダモータース社長)
『BIRO』の生みの親であるマッテオ・マエストリ氏(右)とBIRO JAPANの桂田宗慶代表(カツラダモータース社長) 全 3 枚 拡大写真

BIRO JAPAN(ビロジャパン)は6月26日、イタリア生まれのEVミニカー『BIRO(ビロ』の販売店を東京・八丁堀にオープンした。昨年の大阪店に続いて、日本では2店舗目。この日は生みの親であるマッテオ・マエストリ氏もイタリアからお祝いに駆けつけた。

「イタリアでも大都市部で大気汚染や交通渋滞、駐車場の不足などが問題になっており、それを解決できるものがないかと思ったことがビロを製作したきっかけなんです」とマエストリ氏は話し、2008年にエストリマ社を設立し、約8カ月でビロを製作した。

同氏の実家はトラクターなどのキャビンを製造している家族経営の会社で、その技術やノウハウを活かし、工場の一角でビロをつくりあげたという。そのコンセプトは「I'm Easy」。誰でも簡単に運転でき、人々の生活を楽にしてあげたい、である。もちろん、デザインには気を遣い、街中でも似合うようにしたという。

「ビロはフロントガラスにポリカーボネイトを使い、それが大きいので視界が良く、非常に運転しやすいようになっています。ドアも透明で簡単に取り外しでき、車自体も非常にシンプルなつくりになっています。また、バッテリーは着脱式で、どこでも充電できます」とマエストリ氏は説明する。試しに運転席に座ってみると、視界は抜群で、その視野はなんと345度とのことだ。

大きさは全長1740mm、全幅1030mm、全高1565mm、重量245kg(除くバッテリー)。ブラシレス48Vモーターを2個搭載し、最高出力は4kWで、最高速度は45km/h。バッテリーはリチウムで、フル充電の航続距離が着脱式では約55km、固定式が100km。

安全性にも力を入れており、4輪ディスクブレーキ、175幅のリアタイヤを装着し、フレームはスチールチューブ製でキャビンを強固なものにしているそうだ。すでに欧州では人気で、昨年は600台販売した。「この3年間、毎年倍々ゲームで台数が増えている」(マエストリ氏)という。ちなみに一番売れている都市はオランダのアムステルダムで、2番目がイタリアのミラノだという。

そんな人気に目をつけたのがカツラダモータース(本社・兵庫県西宮市)の桂田宗慶社長で、2年前の2016年にマエストリ氏にアプローチした。話はトントン拍子に進んでいき、翌17年にはビロジャパンの設立となって、大阪に第1号店、そしてこのほど東京に第2号店をオープンすることになったわけだ。

ただ、ビロは欧州で人気上昇中のため、今注文しても納期までに半年ぐらい待たなければならないという。「ほとんどハンドメイドでつくっているので、現在月に60台つくるのが精一杯なのです。今設備を拡張して、増産をしようかと考えているところです」とマエストリ氏は話す。

ちなみに価格はドアなしタイプ(サマー)が98万円、着脱式ドア付きタイプ(ウインター)が123万円、後部ハッチバックタイプ(ビッグ)が138万円、後部ハッチバック荷室タイプ(ボックス)が148万円だ。

《山田清志》

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