Ken OKUYAMA Kode0 ジャパンプレミア…1970年代の皆が夢見たドリームカー

自動車 ニューモデル 新型車
奥山清行氏
奥山清行氏 全 32 枚 拡大写真

KEN OKUYAMA CARSは、2017年に北米でワールドプレミアした『kode0(コードゼロ)』を日本でもお披露目した。同会場には東京モーターショー2015で発表したライトウエイトスポーツカー『kode9』のスパイダーモデル「kode9スパイダー」のプロダクションモデルも同時に発表された。

【画像全32枚】

◇1970年がテーマ

「1969年7月21日にアポロ11号が月面着陸し、同じく12月の末に日本から初めて世界に向けてクォーツ時計が発表された。我々は今、1965年ぐらいから1973年くらいまで、その時に蓄えたイノベーションで”食べて”いる。そこでその頃の夢に溢れたドリームカーを2つの違う形で具現したものがkode0とkode9だ」とは、同社代表であり、工業デザイナーでもある奥山清行氏の弁。

◇ストラトスゼロにインスパイア

kode0は、2016年に発表した『kode57』に続くワンオフカーで、現在では世界で1台のみのクルマである。

そのデザインは、1969年にランチアから発表されたコンセプトカー『ストラトスゼロ』をモチーフとしている。「ベースはランボルギーニ『アヴェンタドール』だが、内外装を含め全面的に改造しているのでほとんど原形はとどめていない」という。その名称の「0」も「ストラトス“ゼロ”を意識した。このデザインはマルチェロ・ガンディーニによるもので、我々も社内プロジェクト時には“マルチェロ”と呼んだ」という。

その特徴のひとつは低いノーズからAピラー、そしてCピラーを経てリアエンドに至る一本の線でつながったワンモーションフォルムで、これがスタイリングテーマでもある。「ブランドのスタイリングによる差別化、レギュレーションに縛られたレースカーの空力デバイスに迎合するための複雑なディテールデザインが、スーパーカーの稚拙ともいえるトレンドだ。それに対するアンチテーゼでもある」と奥山氏はいう。

またノーズからAピラーにかけてのワンモーションを実現するために、カーボンのカバーを採用。「これにより一直線でつながった。kode0のデザイン上のトリックだ」と明かす。

◇大好きなガルフカラーを纏って

kode9スパイダーは、1970年より少し前に生産されていたシボレー『コルベットC2』やジャガー『Eタイプ』のようにホイールをわざと内側に入れているのが特徴だ。「そうすることで、フェンダーをぐっと外に出し前後のオープニングを作った。そこから、全体を重くなりすぎないようにウエストポイントを低くし、フェンダーの形を整えてフロントに昔からあるレースカーのような小さいインテークをつけた」と説明。

そのインテークは、「フロントのスタグニッションポイントと呼ばれる空気の当たるところにつけると最小限の大きさで済むので、現在の大きさで十分に成立する」と話す。

また、ヘッドランプも低い位置に取り付けられた。この位置で機能する理由として奥山氏は、「実はヘッドランプそのものは一番上のところにあるものだけだ。他のものはいってみれば飾り。車検を通すためには地面から550ミリぐらいのところにセンターがなければいけないのでそれをクリアさせ、これに合わせてボディを作っていったのだ」と述べた。

ボディはガルフカラーに塗られた。これは、ガルフと正式コラボレーションの結果だ。「僕の大好きなスティーブマックイーンが1970年に栄光のルマンという映画を撮って、ルマン24時間レースでポルシェ『917』を駆って実際に彼は走った。その時から世界のレースシーンは変わった。それに因んでガルフカラーの許可をもらって作ったのだ」と思いを語る。

kode9はロータス『エリーゼ』のシャーシを流用しているが、「サスペンションは全く違い、エンジンはホンダK20エンジンにHKSのスーパーチャージャーを搭載し、300馬力近くを発揮。車両重量はおよそ780kgだ」という。

現在KEN OKUYAMA CARSは戦略的な販売価格を可能にすべく、新たな生産体制と受注システムを構築中だとし、『kode7』とkode9シリーズの新しいオーダープログラムを近日発表する予定だとした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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