【ボルボ XC40 試乗】ムードに反して大人びた乗り味…島崎七生人

試乗記 輸入車
ボルボ XC40 T5 AWD R-DESIGN 1st Edition
ボルボ XC40 T5 AWD R-DESIGN 1st Edition 全 12 枚 拡大写真

新開発のCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)をベースに生まれたボルボ初のコンパクトSUV。販売の現場で相当な人気らしく、“スマボ”なる、『XC40』の納車まで別の新車に乗れるキャンペーンが打ち出されたほど。

【画像全12枚】

実車は(これもとっくに完売だそうだが)導入記念車というべき仕様。高性能版の2リットルターボ(252ps/350Nm・ガソリン)搭載のAWDで、しかもスポーツ仕立ての「R-Design」。19インチの大径ホイール&タイヤを装着し、斬新なスタイルを精一杯アピールしている…そんな外観だった。

が、いざ乗り出してみると走りは予想に反して“大人びて”いた。例の大径タイヤは折りに触れ一定のショックで存在感を伝えるものの、そのタイミングはごく僅か。それより小さくても最新ボルボらしい上質な乗り味と、コンパクトさを味方につけた、しなやかだが切れのいい身のこなしが楽しめる点が注目だ。

ステアリングの切る/戻すのタッチも穏やかだし、屈曲路をこなすにも車体の姿勢はごく安定している。エンジンも思い通りの反応を示してくれる。「これなら17インチ(または18インチ)のT4系のFFのベースモデルはどれだけ自然体の走りっぷりだろう」と想像を膨らませているところだ。

凝った構造のウーファーをフロントのカウル部に仕込み室内側のスペース効率を高め、さらっと豊かな音質を実現したオーディオの採用など、室内装備、デザインのこだわりも売り。個人的にはコンセプチュアルではあるが、ペット素材でできたカーペット類のオレンジはやや“軽い”印象で、オーソドックスなコーディネートも実車で見て見たい気もしている。

とはいえ、若い外観、ムードに反して地に足のついた走りっぷりと、ボルボならもちろんです!の実用性の高さは、クルマとしての素性の高さを伝えてくる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スバル クロストレック S:HEV 新型試乗】ストロングハイブリッドになっちゃって大丈夫なの?…岩貞るみこ
  2. 「さよなら50cc」歴史に敬意を込めたホンダ公式「50ccバイク」ロゴTシャツ発売
  3. 日産、新型『エルグランド』世界初公開へ…ジャパンモビリティショー2025
  4. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  5. 初公開「赤のS」と「白のGT」で『GSX-R』40周年を祝福! スズキ工場にファン集結、MotoGPマシン「最後の咆哮」も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る