【スバル フォレスター 新型試乗】“飛び道具”はないが、実直な作りがじわじわと…島下泰久

試乗記 国産車
スバル フォレスター 新型
スバル フォレスター 新型 全 16 枚 拡大写真

こういうクルマと出会い、長く付き合えるオーナーは、きっと幸せな人に違いない。新型SUBARU(スバル)『フォレスター』の読後感ならぬ試乗後の印象は、そんなものだった。

【画像全16枚】

正直、外観はあまり変わり映えしなく思えるが、内装はずいぶんと洗練された。ブラウンの本革シートのオプションを、ちゃんと着こなせるようになったデザインとクオリティを得たのは大きな進化だと言っていい。後席の居住性と乗降性、荷室開口部の拡大など使い勝手も細かなところまで配慮が行き届いている。スバルらしい実直さに嬉しくさせられる。

走らせても、洗練度は格段に高まっている。元々、フットワークの良いクルマではあったが、『インプレッサ』に続いて新しいプラットフォームを使ったこともあり乗り心地、そして静粛性などもグンと良くなった。

しかも、背の高さや車重などもプラスに働いているのか、先行したそのインプレッサや『XV』よりも格段にフラットで上質な乗り味を実現しているのが嬉しい。攻める走りをすれば応えてくれるし、オフロードでもさすがの走破性を披露してくれるが、かといって普段はクルマの側から急かされることなく、移動時間そのものを楽しませてくれる。そんな走りが、そこにはある。

パワートレインは、2.5リットル自然吸気ユニットの良い意味でゆったり、まったりとしたフィーリングが気に入った。心地よい回転上昇、爽快な伸びの良さが、懐深いそのフットワークとよくマッチしている。

街中での普段使いが中心ならば、e-BOXERモデルも選択肢として上がってくる。従来のスバルのハイブリッドは、電気モーターの効果が走りにも燃費にもほとんど活きていなかったが、e-BOXERはそれとほぼ同じ構成ながら、アクセルを踏み込んだ瞬間のトルク感など、ちゃんとメリットを感じさせる。低速トルクの薄い2リットルエンジンとCVTの組み合わせの一番のネガを打ち消してくれているのだ。しかも、カタログ数値より実燃費を狙ったというから、その辺りも確かめてみたくなる。

Advance仕様の本革シート、ブラウン(シルバーステッチ)はメーカー装着オプション。
外観を見ても、あるいはスペック全般を眺めても、率直に言って飛び道具的に目をひく部分がそうあるわけではない。けれど、先代オーナーからしてみれば違いは明らかで、様々な場面で進化を実感するのだろうし、奇をてらわない実直な作りは、目の肥えたSUVユーザーにもじわじわとアピールしていくことになるに違いない。まさに、これまでと同じように。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

島下泰久(しました・やすひさ)
1972年神奈川県生まれ。走行性能だけに留まらない、クルマを取り巻くあらゆる事象を守備範囲に自動車専門誌、一般誌、ファッション誌、webなど様々なメディアを舞台に活動。2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動運転技術、電動モビリティを専門的に扱うサイト「サステナ(http://sustaina.me)」を主宰する。近著は『2018年版 間違いだらけのクルマ選び』(草思社刊)。

《島下泰久》

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