フロントスピーカー、どう鳴らす?…ツイーターの取り付け方 前編

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ツィーターの取り付け例。
ツィーターの取り付け例。 全 2 枚 拡大写真

カーオーディオを趣味とするとき、フロントスピーカーに何を選び、それをどのように鳴らすのか、そこのところが大きな悩みどころとなる。しかしながらそれは同時に、最大の楽しみどころともなる。その楽しさをより深めていただくべく、当短期集中連載をお届けしている。

第4回目となる当回では、「ツィーターの鳴らし方」を研究していく。

■インテリアの見た目を変えたくない場合には、「純正位置」への装着がベスト。

「ツィーターの鳴らし方」を考えるとき、まず問題となるのは「どこに付けるか」だ。ミッドウーファーについては、取り付ける場所の選択肢は限られているが、ツィーターは案外、取り付け場所のチョイスの幅がある。見た目と取り付けのしやすさ(取り付けコスト)、そして音的な利点・不利点とを勘案しながら、自分にとってのベストを見つけ出したい。

では、ツィーターの取り付け場所として想定される各所について、それぞれの利点・不利点、そして鳴らし方のコツまでを考えていこう。

1つ目の候補となるのは「純正位置」だ。車種によって場所は異なるが、国産車の場合は「ダッシュボードの左右の奥」に設定されることが多くなっている。次いで「ミラー裏」に取り付けられるケースも少なくなく、さらには「Aピラー」に設定されている車種もある。

さて、ツィーターを純正位置に付ける最大のメリットとは…。それは、「インテリアの見た目を変えなくてすむこと」である。さらには、純正位置に収まるサイズのツィーターであれば、「取り付け費用が比較的に少な目ですむ」というメリットも発生する。

ただし、取り付けようとするスピーカーのツィーターが大型の場合は(純正位置に収まらない大きさの場合は)、ある程度大がかりな改造が必要となる。その場合は「純正位置」は現実的な選択肢とは言えなくなる。

なお、スピーカーの中には純正位置への装着を想定して、取り付け用のブラケット等が同梱されているモデルも存在する。もしも「純正位置」へ取り付けたいという思いが大きい場合には、「純正位置への装着が簡単」であることをうたっている製品を探してみるといいだろう。

■「ダッシュボードの左右の奥」にツィーターを取り付けると、サウンドコントロールの難易度は高まる…。

続いては、「純正位置」の音的な利点・不利点について考えていく。それについては場所によって変わってくるので、ここでは「ダッシュボードの左右の奥」について考察していく(「ミラー裏」と「Aピラー」については別途詳しく解説する)。

さて、純正位置」が「ダッシュボードの左右の奥」であった場合、音的にはどうなのかと言うと…。結論としては、「他の取り付け位置と比べて不利」と言わざるを得ない。

不利である最大の理由は、「“直接音”が聴けないから」だ。ツィーターを「ダッシュボードの左右の奥」に取り付けるとツィーターは運転席からは見えない場所に埋め込まれることになるので、“直接音”はほとんど聴けなくなってしまう。

“直接音”を聴けなくなると、以下のような弊害が生まれる。もっとも良くないことは、ツィーターから発せされる音がリスナーの耳に届くまでに、いろいろなところに反射してしまうこと、である。「ダッシュボードの左右の奥」に埋め込まれたツィーターから発せられる音はまずフロントガラスにぶつかり、その後にもいろいろな場所で反射する。結果、高音の耳への届き方が複雑化してしまうのだ。

また、“反射音”には反射する場所の材質特有の音も少なからず乗ってしまう。ぶつかる場所がフロントガラスである場合には、ガラス特有の響きも付加されることとなる。つまり、音色が変化する可能性が出てくるのだ。

ただしカーオーディオプロショップは、それらのデメリットに対処する術を持っている。デジタル・シグナル・プロセッサーを駆使するなどしてその不利を補い、ベストなサウンドに仕上げてくれる。

とはいいつつも、“直接音”が聴けた方が状況としてはシンプルだ。「ダッシュボード左右の奥」にツィーターを埋め込むと、サウンドコントロールの難易度は確実に上がってしまうのだ。

■取り付け費用を抑えられつつ、音的にも利点が多いのは…。

次には、ツィーターの取り付け位置としてもっとも手軽な場所となる「ダッシュボードの上」について考えていこう。スタイルとしては、スタンドを用いてダッシュボードの上に“ポン”と置く形となるわけだが、この取り付け方にはメリットが多々ある。

まずは、「取り付けコストが少なくてすむ」ことがメリットだ。ツィーター用のスタンドが同梱されていることが前提とはなるが、そうであれば、どこかを切ったり貼ったりという大がかりな作業はほぼゼロで取り付け作業を完了できる。

音的にもメリットがいくつかある。まず、「“直接音”をしっかり聴けること」が利点だ。そしてさらには「角度付けの自由度が高いこと」も大きな利点となる。取り付けた後からの角度変更も可能だ。

一方、デメリットは少ない。目立ったところでは「見た目が変わること」ぐらいだろうか。本来はないはずのものがぶっきらぼうに出現するので、それを不自然と感じる場合もあるかもしれない。しかしながら、ツィーターがダッシュボードの上に載ることを、かえってカッコ良いと感じる場合もあるだろう。そうであればこの点はデメリットではなくなる。後は、ダッシュボードに音が反射しやすいこともデメリットではあるが、これはそれほど気にしなくていいだろう。

というわけで実は、ツィーターの取り付け場所として「ダッシュボードの上」は、なかなかにおすすめ度が高い。初期費用をできるだけ抑えられ、かつ、音的にもメリットが多いからだ。ダッシュボードの上に“ポン”と置く取り付け方は、なかなかに侮れない。

今回はここまでとさせていただく。次回も引き続き、ツィーターの取り付け方についての考察を続行する。お楽しみに。

フロントスピーカー、アナタならどう鳴らす? 第4回「ツイーターの取り付け方<前編>」

《太田祥三》

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