【INDYCAR 第12戦】ディクソン3勝目、王座へ向けてリード拡大…琢磨は上位好走も終盤に戦線離脱

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優勝した#9 ディクソン。
優勝した#9 ディクソン。 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第12戦の決勝レースが現地15日にカナダ・トロントで実施され、ポイントリーダーのスコット・ディクソンがシーズン3勝目を達成、リードをさらに広げている。佐藤琢磨は上位で好走したが、終盤にマシンをウォールにヒット、戦線離脱となった。

第12戦のステージはトロント市街地コース、ポールポジションは前年王者ジョセフ・ニューガーデン(#1 Team Penske/エンジンはシボレー)が獲得した。ニューガーデンは今季シリーズランク2位、前戦終了時点でトップから33点差の位置につける。そして予選2位にはポイントリーダーのスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/ホンダ)が続き、トロントの最前線は王座争い直結の様相を呈した。

決勝レースも首位ニューガーデン、これをディクソンが追う展開で推移した。しかしレース中盤、フルコースイエローコーション明けのリスタートでニューガーデンがコースサイドのウォールにヒットし、後退してしまう。ここで先頭に出たディクソンが以降はレースをほぼ完全に支配し、シーズン3勝目をマークした。

#9 スコット・ディクソンのコメント
「もう体力は一切残っていないよ。肉体的にハードなレースだった。マシンは本当に速かったので、トップに立ってクリーンな気流を浴びられるようになってからは後続を突き放せたよ。でも、難しいレースだった。特にリスタートが大変だったね。(それだけに)本当に嬉しいし、素晴らしい勝利だ。このままチャンピオンシップポイントを積み重ねていきたいね」

ニューガーデンはこのレース最終的に9位。他のシリーズ上位陣も今回はディクソン以外あまりポイントを稼げておらず、ポイントリーダーであるディクソンのニューガーデン以降に対するリードは62点まで拡大した。通常レースの優勝が50点、そして出走すれば0点にはならないポイントシステムであること等々を考えあわせると、まだ5戦残っていて最終戦がポイント2倍になるとはいえ、62点差は小さくない。セーフティリードとも言えないだろうが、3年ぶり5度目の王座獲得を目指すディクソンが当面のイニシアチブをとったことは間違いなさそうだ。

第12戦トロントの決勝2~6位は以下の通り。

2位 シモン・パジェノー(#22 Team Penske/シボレー)
3位 ロバート・ウィッケンズ(#6 Schmidt Peterson Motorsports/ホンダ)
4位 ジェームズ・ヒンチクリフ(#5 Schmidt Peterson Motorsports/ホンダ)
5位 チャーリー・キンボール(#23 Carlin/シボレー)
6位 トニー・カナーン(#14 A.J.Foyt Enterprises/シボレー)

佐藤琢磨(#30 Rahal Letterman Lanigan Racing/ホンダ)はトロントでも近戦の好調を持続していたようで、走行初日のフリー走行で総合2位、予選日のフリー走行ではトップタイムを記録した。ただ、雨絡みの予選では7位、惜しくも“ファスト6”入りを逃す(ファスト6は上位6人でポールを争う最終予選)。

決勝では激戦のなか、琢磨はトップ5圏内で力走した。しかし5番手走行中の終盤、散らばるタイヤかすを拾ったためか姿勢をわずかに乱し、ニューガーデンのトップ陥落時と似たような格好で最終コーナー外側のウォールにヒット、戦線離脱となってしまった(リザルト的には22位)。

#30 佐藤琢磨のコメント
「この週末、私たちは非常に高い競争力を見せることができました。レースではいくつかの問題もありましたが、レースを通してマシンは速かったと思います。それだけにリタイアという結果になったことについては、チームクルーたちに申し訳ない気持ちです。彼らは今回、素晴らしいマシンを提供してくれていました。チームには今、とてもいい勢いがあります。次のミッドオハイオでのレースを楽しみにしています」

マシンのパフォーマンスは高く維持されていたが、ホンダのレポートによればレース中の他車の追突により不具合が出ていた面もあるという琢磨。直近2戦を4位、3位と来て、ここトロントでも人車とも好調だっただけにとにかく残念な結末とはなったが、残り5戦、勝利へのトライを続けていってほしいものだ。

次戦第13戦は現地29日決勝の日程で、米オハイオ州にあるロードコース「ミッドオハイオ」にて開催される。

《遠藤俊幸》

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