【鈴鹿8耐】レース展開まとめ…YAMAHA FACTORY RACING TEAMは強かった!

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鈴鹿8耐
鈴鹿8耐 全 16 枚 拡大写真

鈴鹿サーキットで2018年7月26~29日の間、2017-2018 FIM世界耐久選手権最終戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第41回大会が開催された。

台風12号の影響から、28日のGPスクエアの出展ブース及びステージイベントの全面中止、および29日一部イベントは安全を期すため中止されるなど影響が及んだ。しかしながら台風にも負けず、会場全体では大きな盛り上がり感じることが出来た。

事前の予想通り、レースウィークで大きな注目を集めたのはNo. 11 Kawasaki Team GREENのジョナサン・レイ。スーパーバイク世界選手権で3連覇中の絶対王者は、27日の鈴鹿8耐公式トライアルで驚異の2分5秒168のスーパーラップを記録、無駄な動きが一切なくスムーズなライディングが終始際立っていた。TOP10トライアルでもその調子は変わらず、チームメイトのレオン・ハスラムを除いて唯一の5秒台タイムとなる2分5秒463を記録、見事ポールポジションを獲得した。

一方、大会史上初の4連覇を狙うNo. 21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMも、フリー走行から終始安定した2分7秒台の好タイムを連発、4連覇に向けて死角なしと思われた。しかし、TOP10トライアル前のフリー走行でアクシデント発生、コースイン直後のS字でエースライダーの中須賀克行が転倒、一時その場から動けなくなってしまいセッションは赤旗中断となった。終盤に中須賀は復帰したものの調子を確認する程度にとどまり、TOP10トライアルではマイケル・ファン・デル・マークからコースイン、最終的にアレックス・ローズが2分6秒170を記録、3番手を獲得した。

また、10年ぶりのワークス体制での復活となった、No. 33 Red Bull Honda with 日本郵便は、事前のテストでレオン・キャミアが転倒、レオンと同じスーパーバイク世界選手権のレギュラーライダーである、パトリック・ジェイコブセンに急遽ライダーを変更する対応を余儀なくされた。加えて日本勢初のEWC王座を狙う、No. 5 F.C.C TSR Honda Franceは藤井正和監督が言うように“優勝を意識しない”とのことで、ポイントリーダーとしての戦い方を強く意識しているように感じた。トップ10トライアルではNo. 33 中上貴晶が2分6秒027で2番手のタイムを記録、決勝の好スタートが期待される結果となった。

スズキ勢では、No. 71 Team KAGAYAMAに総監督にケビン・シュワンツ氏が迎えられ、“Team KAGAYAMA U.S.A”として注目を集めた。JSB1000クラス参戦の加賀山就臣、スペインのスーパーストック1000クラスへ参戦中の浦本修充、さらにはMoto2クラス参戦の米国人ライダー ジョー・ロバーツを揃え、表彰台獲得に向けて万全の体制を整えた。TOP10トライアルではNo. 12 ヨシムラ スズキ MOTULが活躍、終盤に津田拓也に交代するが、シケインでまさかの転倒、悔しさが残る結果となってしまったが、2分6秒642を記録し、スズキ勢最上位の5番手を獲得した。

7月29日11時30分スタートの決勝では、直前の11時頃に雨が振り出し、各チームグリッド上でタイヤ交換に追われるなど、タイヤ選択に迷っている様子が至るところで目撃された。No. 19 KYB MORIWAKI MOTUL RACINGは賭けに出てスリックタイヤを選択、結果として裏目にでてしまったが、凄まじい追い上げをみせ、最終リザルトでは見事8位に食い込んだ。

序盤のレース展開は、No. 33 Red Bull Honda with 日本郵便がホールショットを獲得、しかしながらタイヤ交換のタイミングを引っ張ったことでタイムロスが生じ、3位に後退してしまう。代わりにトップに立ったのがNo. 11 Kawasaki Team GREEN、その直後にNo. 21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMが続き、1時間以上テールトゥノーズの状態が続いた。1時間57分経過時、No. 21が1コーナーでオーバーテイクに成功、このレースで初めてラップリーダーとなった。

その後、2時間25分経過時にセーフティーカーが導入され、トップ3台の差はほぼなくなった。各チーム順調にルーティンにピットインを済ませていくが、No. 11がピットイン時にガス欠でエンジンが停止、惰性でピットまで走行した影響で大きくタイムロスを喫し、3位へ後退した。4時間経過時では、No. 21、No. 33、No. 11の順番となり、3台のみが同一周回で順位を争っていた。

4時間45分が経過、ここで再び強い雨が振り始めた。No. 634 MuSASHi RT HARC-PRO. Hondaがデグナーカーブ1つ目で転倒、セーフティーカーが介入しレースは再び混沌とした状況へ。No. 21とNo. 33は同一グループになったものの、No. 11は別のグループとなり大きな差が開いてしまう。さらにNo. 11はレインタイヤ交換前にスプーンカーブで転倒、修復にかかった時間も影響し大きく遅れをとる結果に。このタイミングで優勝争いはNo. 21とNo. 33の一騎打ちとなった。

No. 33はピットストップを1回少なくすることで逆転を狙う作戦だったが、No. 21の好走もあり、結果ルーティンのピットを終えても順位は変わらず。そのままの順位でフィニッシュを迎え、No. 21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/アレックス・ローズ/マイケル・ファン・デル・マーク組)が大会史上初の4連覇を獲得した。

一方、日本勢初のEWC世界王座に向けて臨んだNo. 5 F.C.C TSR Honda Franceは、No. 94 GMT94 YAMAHAとのデッドヒートを終始展開、最終的にNo. 5がピット戦略で順位を逆転し、見事に鈴鹿8耐でEWC世界王座を獲得した。

今年も非常に盛り上がりを見せた鈴鹿8耐。YAMAHA FACTORY RACING TEAMの5連覇に期待がかかる中、ライバルチームがその記録を止めることができるのか、第42回大会も盛り上がることが予想される。

《後藤竜甫》

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