[取り付け方で音が変わる?]ドアスピーカー…制振材の貼り方
自動車 テクノロジー
カーナビ/カーオーディオ新製品

前回までは“デッドニング作業”の手順として、「内張りパネルの外し方」、「ドア内部のクリーニング作業」、そして「型紙の作り方」までを解説してきた。ここまできたら次は、型紙に従って“制振材”を切り出し、そしてそれを「貼り付ける」作業へと進んでいこう。
早速、核心に迫りたい。“制振材”を貼るにはコツがある。それは、“しっかりと圧着させること”、これに尽きる。
以前に解説したとおり、鉄板の油分等々をしっかり落としておくことが大前提となるのだが、脱脂が確実に行えていたら、あとは1に“圧着”、2に“圧着”、ひたすら“圧着”していくのみなのだ。
しっかり“圧着”する狙いは2つある。1つは「制振効果を上げるため」。“制振材”が鉄板にぴったりと貼り付くことで、鉄板の共振を止める効果が上がっていくのだ。そしてもう1つは「はがれにくくするため」。もしもドア内部で“制振材”がはがれてしまったら、それが新たな異音を生むことにもなる。そうなったらまさしく本末転倒。“制振”をした意味がなくなってしまう。
では、どのようにするとしっかり“圧着”できるのかと言うと…。ポイントは「良い道具を用意すること」だ。あると便利なのはまず、「腰のあるヘラ」だ。力を入れても簡単にへタッとならない、ある程度硬いヘラが使いやすい。または、小型のローラーもあると便利だ。ローラー部分の横幅が3、4cmくらいだとちょうどいいだろうか。自分にとって使いやすそうなローラーを探しておくといいだろう。
ちなみに、“制振材”の中には、メーカーロゴ等が型押しされているものもあるが、“圧着”する際には型押しされたロゴの凹凸がなくなるまで(完全に平らになるまで)ゴシゴシと“圧着”しておきたい。
ところで、かつてはヒートガン等を使って温めながら作業したほうが良い部材もあったが、昨今は、温めなくてもよいものが多くなっている。とはいえ、温めながら貼るべき部材もあり得るので、部材を購入する際には念のため注意書き等をよく読んで、温める必要があるのかないのかを確認しておくと安心だ。
今週はここまでとさせていただく。次週も“デッドニング”のやり方についての解説を続行する。お楽しみに。
【連載】“取り付け方”で音が変わる? Part1 ドアスピーカー編 その14「“制振材”の貼り方とは?」
《太田祥三》
この記事の写真
/
ピックアップ
