【マツダ CX-3 新型試乗】ドアを開けた時と走り出してからの驚きが倍増…まるも亜希子

試乗記 国産車
マツダ CX-3 改良新型とまるも亜希子さん
マツダ CX-3 改良新型とまるも亜希子さん 全 19 枚 拡大写真

未だにニューモデルが投入され続け、依然として大流行が収まる気配のないSUV。日本で買えるモデルだけでも70車種以上がラインアップしているが、実は『CX-3』が属する全長4.2mほどのコンパクトサイズはそう多くはない。

【画像全19枚】

でも『ヴェゼル』や『ジューク』、わずかに大きいが『C-HR』もライバルになり、日本ではいちばんの激戦区と言えるのが実情だ。

◆エッと驚くような新技術も採用

CX-3は2015年にディーゼルモデルのみで登場し、2017年7月にガソリンモデルを投入して、魅力アップを図ってきた。低速から力強い加速が持ち味のディーゼル、軽やかさが光るガソリンというマツダらしい走りの良さに加え、赤いレザーをあしらったインテリアや、ホワイトを大胆に使ったシートなど、クラス内ではモダンで洗練された内外装も評価されてきた。しかし、進化のスピードが速いこのご時世、この先もそれに甘んじていてはライバルに遅れをとるとの判断だろうか、CX-3の4度目となる今回の改良はなんと過去最大級。エッと驚くような新技術も採用されている。

外観は一見すると大きな変更はないように思えたが、ラジエーターグリルからテールランプ、ピラーガーニッシュなどの色や素材が変わったほか、18インチアルミホイールのデザインも新しくなって、全体的にますます艶っぽさが増し、質感もアップしている。そしてドアを開けると、室内の印象はガラリと激変。これまで手動のパーキングブレーキが鎮座していたところに、新型のコマンダースイッチやドリンクホルダーが置かれ、これまでは無かったマルチボックス付きのセンターアームレストも設定。パーキングブレーキは電動化されて、乗り込んだ時に目に入る景色が別のクルマのようなのだ。これまでは、外観では「CX-5の弟分」的な印象でも、中に入ると「デミオのSUV版」といった印象になってしまっていたが、もうこれで一気に「脱デミオ」している。

そして身体を沈めたシートがまた、とてもいい。今回の大きな改良点の一つでもあるシートには、形状は変わらないものの従来のウレタンよりも高減衰性のウレタンが採用されており、これは『CX-8』と同じもの。振幅エネルギーが小さく、収束性も高いとのことで、もちろん乗り心地向上を狙った改良だが、座っただけでもその心地よさが実感できた。

ちなみに後席はシート自体は変わっていないが、センターアームレスト内のカップホルダーを使いやすく、美しく改良。ただ穴が開いているだけではなく、パカッと支柱が開いて飲み物が安定するように変え、デザインもこだわった結果、マツダ車でいちばん高価なカップホルダーになったらしい。

◆ディーゼルとガソリン、走りの進化は?

最初に走らせたのは、1.5リットルから1.8リットルへと排気量アップしたディーゼルエンジン、SKYACTIV-D1.8を搭載する「XD L Package」。6速ATでFFとなるモデルだ。発進からモリモリとトルクが出るのは変わらないが、それがより滑らかで丁寧な加速フィールになっている。市街地のストップ&ゴーも常に余裕たっぷりで、上質感に満たされるような乗り味だ。そして高速道路に入ると、2500回転を超えたあたりからの伸びやかさ、力強さがどこまでも続くように気持ちいい。直線では重厚感がありながら、レーンチェンジや高速コーナーでの身のこなしもスッキリとしていて、ますますハンドリングが冴えたと感じる。

今回、排気量を300cc増やした分だけ、ピストンやコンロッドなどを軽量化して300g減らしたため、重量増はなし。インジェクターをピエゾ式に変更したことで、とくに高速域のトルクをアップしているが、まさにそれが走りの気持ちよさに表れている。

一方、ガソリンモデルは20S L Packageに試乗。こちらも燃料噴霧の進化や抵抗低減など多くの見直しを図り、全域でトルクアップ。これまでの持ち味であった軽やかさ、滑らかさはそのままに、低速からの余力が感じられるようになった。個人的にはひとつだけ、ステアフィールがやや軽めになってしまったのは、もう少し手応えのある感覚の方が運転しやすく安心感も高いのではと感じたが、高速道路でも静かでしなやかな乗り心地が保たれているのはさすが。まったくフラつくことなく高速カーブを駆け抜けていける、スカッとするような走りを味わうことができた。

聞けば今回、もう一つ大きな改良を施したのがサスペンションとタイヤ。通常ならモデルライフ途中で行うことはまずないという、新開発のタイヤもさることながら、サスペンションに至っては全面改良とし、なんとアテンザと同じ径のダンパーを投入したという。そのために日本・タイの工場の機械まで入れ替えての大決断だったというだけあって、後席での乗り心地も素晴らしいものになっていた。

見た目の驚きが小さい分、ドアを開けた時と走り出してからの驚きが倍増したような新しいCX-3。間違いなく、ユーザーの満足度はもっともっと高まるはずである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌『ティーポ(Tipo)』編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。 現在は雑誌・ウェブサイト・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー(2005-2012等)選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

《まるも亜希子》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ23車種、ガソリンが漏れるおそれ…6月掲載のリコール記事まとめ
  2. スズキ『カプチーノ』復活の可能性!…軽規格を維持、FRレイアウトも継承か
  3. ホンダ23車種・3364台をリコール 低圧燃料ポンプ交換作業に不備
  4. 発表秒読み?…ホンダ『フィット』7月改良、4グレード構成に刷新か
  5. ヤマハの原付電動スクーター『JOG E』全国発売へ、本体のみなら約16万円で買える
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ◆終了◆6/25 次のステップを模索する中国自動車メーカーの戦略を俯瞰する
  2. ボッシュ日本、2025年度の売上高4600億円で4年連続最高記録を更新…ADAS・SDV強化が成長を牽引
  3. BMW工場にヒューマノイド「Figure 03」導入…フィジカルAIで全身協調制御
  4. BYD12万人の技術力と日本市場への本気度、補助金逆風下「ラッコ」の戦略とは…BYD Auto Japan 東福寺厚樹 代表取締役社長[インタビュー]
  5. バックミラーは「銀座4丁目」だった…電子ミラー最大手「ジェンテックス」が握る車内センシングの主導権
ランキングをもっと見る