【ホンダ N-VAN 試乗】これが現代の「クリエイティブ・ムーバー」か…島崎七生人

試乗記 国産車
ホンダ N-VAN +STYLE FUNターボ Honda SENSING
ホンダ N-VAN +STYLE FUNターボ Honda SENSING 全 8 枚 拡大写真

そうだったのかぁ、である。今にして思えば先に登場した『N-BOX』があれほど乗用車ライクにマイルドに仕上げられていたのもコチラがあってこそのことだった。フタを開けてみれば、キレッキレにクールに仕立てられたプロ仕様が『N-VAN』という訳だ。

さしずめ、現代のクリエイティブ・ムーバー(※編集部注:ホンダが90年代に初代オデッセイを皮切りに掲げたコンセプト)といったところか。

4ナンバーの軽ワンボックスといえば、シャワーの修理をお願いしたいんですけど……などと電話をすると業者や職人さんが乗ってやってくる。が、見ればボディはボコボコだし、室内も工具や部材など雑多な荷物で溢れているのがよくあるパターン。が、N-VANはそんなこれまでの仕事環境を目覚ましく改善してくれるに違いない。“ドーンと空間だけあって何でも積める”から一歩踏み込んで、“多彩な用途を前提に積めるようにしてある”のが特徴だから。かなりの意欲作だ。

その代表は、ピラー内蔵ドアの採用で広大な左側ドア開口を設けたことと、文字通り平らな助手席&荷室フラットモード。ピラーレスは他車にも前例はあるが、助手席を足元にダイブダウンさせて長手方向が最長で2635mm、正真正銘フルに平らになる床は、相当に使い勝手がいいはず。バイクが積み込み可能なことは話題になっているが、エアコンの室外機を梱包ごと積み込むなどお安い御用だろう。

カタログによればハイルーフ仕様のほうが室内高以外のサイズに余裕があり、室内幅も1390mm確保されている。シートの折畳み操作は、わかりやすいオレンジ色のストラップ、レバーを使って簡単に行える。また内装はリブを立てたデザインで、トリム全体を荷物と“面”で接触しにくくすることで、キズがつきにくいようにしてある。

運転席(シート)はしっかりとした造り。インパネまわりは機能優先のデザイン。運転席の乗り降りは低床で無理なく行え、ドアはほぼ垂直のため、狭い場所で小さく開いての乗降も楽だ。

試乗車はターボ仕様だったが、CVTとの組み合わせながら、ストレスなくスムースに走らせやすい。荷重を想定したLTタイヤの指定空気圧は高めの設定(前/後=280/350kPa)だが“空荷”の状態でも乗り味はスムースで安定している。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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