【スバル フォレスター 新型試乗】角の取れたマイルドな乗り心地が印象的…吉田匠

試乗記 国産車
スバル フォレスター 新型
スバル フォレスター 新型 全 10 枚 拡大写真

スバルのミドルサイズSUV、『フォレスター』が新型に生まれ変わった。そのポイントは、新世代のスバルグローバルプラットフォームを採用したこと、それに伴ってボディサイズが大きくなったこと。この2つが新型の最重要項目ではないかと思う。

【画像全10枚】

アクティブ仕様のX-BREAK

ボディサイズはモデルによって細部が違うが、試乗したX-BREAKの場合、ルーフレールが標準装着になるため全高が他のモデルより15mm高くなって、全長4625×全幅1815×全高1730mm、ホイールベース2670mmと、そこそこ大きい。それでもあまり威圧感がないのは、アクの強くないスタイリングのせいだろう。

インテリアも上々のデザインと質感で統一され、ボディサイズを無駄にしない空間利用が好ましい。運転席はもちろん、リアシートのレッグスペースやヘッドルームにも余裕があるし、後方のラゲッジスペースは天地の深さもあって、使い易そう。試乗したX-BREAKはアクティブな用途を想定したモデルで、撥水加工のシートや荷室を採用している。

安定したコーナリング

走り出してみると、角の取れたマイルドな乗り心地が印象に残った。昨今、舗装路でのハンドリングを重視するあまりか、脚の硬いSUVがけっこうあるが、フォレスターは違う。ただし、試乗したX-BREAKという仕様は17インチと小径の、しかもオールシーズンタイヤ標準装備モデルなので、その点が乗り心地には有利に作用していたかもしれない。18インチのサマータイヤを履くモデルの乗り味がどうなのか、気になるところだ。

 

それにもかかわらず、コーナーでの挙動は安定しているから、コーナリング好きにも不満を感じさせないはずだ。ステアリングは低速走行時にはややフィール不足を感じるが、コーナリング中には確実に路面からの手応えを返してくる。ブレーキもカッチリと効く。

2.5リットルNAエンジンの加速は…?

新型フォレスターのパワーユニットはトップモデルのAdvanceが2リットル直噴フラット4+電気モーターのハイブリッド、他はすべて2.5リットル直噴フラット4のNAで、ターボは装着されない。試乗したX-BREAKは後者で、184psと24.4kgmを発生。

X-BREAKの車重は1530kgだが、それをリニアトロニックという名のマニュアルモード付きCVT無段変速機を介して走らせる。駆動方式は全車AWD=常時4輪駆動で、FWD=前輪駆動モデルの用意がないところが、スバルらしく潔い。

このCVTは、通常は無段変速、スロットルを深く踏むとATのような変速感を演出する。それを駆使しての2.5リットルNAエンジンによる加速は、実用性能としてはまったく充分だが、ここ一番、というときにちょっと物足りない感触はある。

他車のSUVにはあまり見られない、グリーン系やブルー系といったユニークなボディカラーが用意されているのも、新型フォレスターの魅力のひとつではないかと思う。ただしそういった色が、モデルによっては選択不可能になるのが残念なところではあるが。

ちなみにフォレスターの税込み価格帯は280.8万円から309.96万円の範囲にあり、試乗したX-BREAKはベース車両が294.84万円、オプションを備える試乗車で322.92万円だった。

吉田匠│モータージャーナリスト
1971年、青山学院大学卒業と同時に自動車専門誌『CAR GRAPHIC』の編集記者としてニ玄社に入社。1985年、同社を円満退社、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。『僕の恋人がカニ目になってから』(二玄社)、『男は黙ってスポーツカー』『ポルシェ911全仕事』『男は笑ってスポーツセダン』(双葉社)など、著書多数。

《吉田匠》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. スズキが新型「軽EV」を世界初公開へ、2026年度内に量産化、軽商用EVも…ジャパンモビリティショー2025
  3. ヤマハ発動機が新型3輪オープンカー、「AIで成長する」2輪車を世界初公開! 大型EVバイクなど16モデルずらり…ジャパンモビリティショー2025
  4. 寂しさ45%、読者の感情:レクサス『LS』生産終了…「時代の流れ」「次への期待」が交錯
  5. マツダの新型SUVが約250万円から!?「バグってる」「買わない理由がない」など驚きの声殺到
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る