大学生がモーターサイクルデザインの魅力を知る…2輪デザイン公開講座

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教室の様子
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デザインを学び始めたばかりの学生に、モーターサイクルデザインの魅力を伝えるワークショップ「二輪デザイン公開講座」が8月23~24日に長岡造形大学(新潟県)で開催。初日のプログラムは一般にもその様子が公開された。

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「二輪デザイン公開講座」は、自動車技術会デザイン部門委員会が毎年8月に開催しているワークショップで、4年制大学のデザインコースに所属する1、2年生が対象。今回で6回目の開催となる。講師はホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4メーカー、そしてGKダイナミックスのデザイナーやクレイモデラーが担当。

参加学生は全国の14大学から集まった32名。希望者の多かった学校では学内でメンバーが選抜されているが、2年生の中には運良く2年連続で参加が叶った学生も複数いた。

プログラムはまず、一條厚氏(元GKダイナミックス)の基調講演からスタート。一條氏は「バイクデザインは面白い」と題して、おもに趣味性の部分におけるモーターサイクルの魅力を軽妙な語り口で紹介した。

印象的だったのは「素敵」という言葉が何度も登場したことだ。「バイクに乗っていると、暑かったり寒かったりとつらいことが多い。でも、日常から飛躍できる」と一條氏。効率や利便性といった要素から外れた「人生において無駄だと思えること」にも魅力や価値がある、という主旨だ。

またスタイリングも含めたデザインについては「エンジンの美しさを見られるのは、バイクの特権。機能とフォルムの惹かれ合いが魅力」という。さらに、プロダクトデザインについては「デザインは(サッカーの)キラーパス」と表現したのはユニークだ。「想像力と判断力を働かせて“誰もいない場所”にボールを蹴ることが必要」とのこと。

これは競合製品(相手チーム)どころか顧客(味方)もいない、しかし味方が状況を察して飛び込んできてくれるようなパスであれば、ゴール(新しい価値や市場)を生み出すことができる、という主旨のようだ。

講演が終わると「プロ技講座」と題して、現役のデザイナーやモデラーが実際の業務内容を実演。ここまでは学生以外の来場者にも公開された。そのなかには「来年があるから」という理由で学内選抜に選ばれず、独自に見学に来た1年生の姿も。

その後は、学生が実際に手を動かして学ぶ「デザイナー/モデラーの卵 養成講座」。これまでの手描きマーカースケッチ、クレイモデル切削、ペンタブレットを用いたデジタルスケッチに加え、今回から新たに「カラーリング(CMF)」もプログラムに加えられた。いずれもまだ学生は基礎課程ということを考慮して、デザイン提案よりも画材やツールの使い方を知ってもらうことが中心となっている。

手描きスケッチでは初心者と経験者でコースが分けられ、まず「デザインスケッチを描くこと」の意味を学習。下絵を参考にしつつ自分で描き、マーカーやパステルといったアナログツールで多彩な表現ができることを学んでいた。

カラーリングではカウルに貼るストライプの色を決めて切り出し、実際に貼り付ける作業を体験。見ていると、カッターの使い方にも不安を覚えてしまうような学生もいたが、ものづくりの一端に触れつつ、色やグラフィックが変わることで外観のイメージも変わるというデザインの妙味を味わえたことは、大きな収穫となったことだろう。

このほか協賛各社のプレゼンテーションがあったり、懇親会でも講義がおこなわれるなど、これまで以上に濃密なプログラムとなった今回。協賛企業のプレゼンテーションは、完成車メーカーだけが車両をデザインしているわけではないことを知ったり、デザイン業務の幅広さを実感する絶好の機会だった。

しかし結果的にプログラムが山盛りとなり、講師陣からも「詰め込みすぎでは?」という声が挙がったほど。学生の疲労やストレスもかなり蓄積したのではないかと思われる。それでも全員が修了証を受け取り、無事に日程が終了した。

最後に、デザイン部門委員会の田中昭彦委員長は「この2日間で教えたのは、モビリティデザインの基礎の部分。2輪だけでなくどんな乗り物にも共通するものです。またコネクテッド機能の部分などでは、モビリティ以外にも通ずるものがあるでしょう」と挨拶。立派なデザイナーになってほしいが、なかでも2輪業界のクリエイターになってくれれば、もっと嬉しいとエールを送っている。

《古庄 速人》

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