気鋭のロシアン・ラグジュアリーブランド、アウルスが登場…モスクワモーターショー2018

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アウルス・セナート
アウルス・セナート 全 22 枚 拡大写真
モスクワ国際オートサロン(MIAS2018)では、ロシア勢が存在感を見せた。そのひとつAURUS(アウルス)は、グローバル市場を見据えた新進気鋭のラグジュアリー・ブランドだ。

これまでプーチン大統領用リムジンを公開して話題になっていたアウルスだが、今回は一般ユーザーが購入できる市販モデルの『セナート』を初公開した。セナートは4.4リットルV8ツインターボを搭載。エンジンとトランスミッションの間にモーターをレイアウトしたハイブリッド駆動の4WDだ。バッテリーはトランク床下にレイアウトされている。

アウルスでは、このメカニカルレイアウトについて「あらゆる状況下で最高の快適性と安全性を保証するために、ロシアの気候や道路の特性を考慮して特別に開発したもの」と説明する。V8エンジンも他車種からの流用ではなく独自に開発したもので、0-100km/h加速は6秒を切るとのこと。

そのほか安全・快適装備も最先端のものが盛り込まれ、現在は新型車に装着が義務づけられているERA-GRONASS(ロシア独自のGPS、グロナスを用いた緊急通報システム)をはじめADAS(先進運転支援システム)、アダプティブ・クルーズコントロール、電子スタビリティコントロール、自動緊急ブレーキ、対歩行者衝突予防システム、道路標識認識システム、ブラインドスポット・モニタリングシステムなどを搭載する。

カンファレンスでは、アウルスのフランツ・ゲルハルド・ヒルガートCEOが「顧客はデザイナーやエンジニアと話し合うことで、個別にカスタマイズできる。高い競争力を備えた商品だ」と紹介した。ブースではホイール4種に外装カラー10色、インテリアではウッド材5種、レザー14色のラインナップをディスプレイしていたが、これでも飽き足らない人に個別対応する用意があるというわけだ。

また、よくある国家元首用リムジンとセナート・リムジンが大きく異なる点は、装甲モデルと防弾能力のない一般モデルの開発を同時に、並行して進めたということだという。アウルスでは「ロシアのエンジニアによって開発されたデザイン・ソリューションによって、従来の装甲モデルを超えるパラメーターに到達し、まったく新しい基準を確立した」と強調している。

セナートの開発を手がけたのはNAMI(ロシア国家科学研究センター)。ソヴィエト建国直後から、先進的な自動車のメカニズムやデザインを研究開発してきた組織だ。現在はスタイリング提案をはじめエンジン開発、CASE領域の技術開発、試作や解析、走行テストなど、あらゆる領域における開発業務を総合的に手がけることができる。カマズの自動運転シャトルのコンセプトモデルもNAMIが開発したものだ。

ただしNAMIに生産設備はなく、アウルスも現在のところ工場を持っていない。このため、セナートの一般顧客向けデリバリーがスタートするまでにはまだ多少の時間がかかりそうだ。それでもすでに、世界中のラグジュアリーカーを取り扱う大手ディーラーのアヴィロン、そしてパナフトと販売契約を結んだと発表されている。

さらにアウルスでは「国際的な販売とアフターセールス・サービス展開の準備をしている」という。セナートの国際デビューは、2019年のジュネーブモーターショーになるとのことだ。

《古庄 速人》

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