【DS 7 クロスバック 試乗】唯一無二の「キラキラ感」が光りまくる…諸星陽一

試乗記 輸入車
DS 7 クロスバック
DS 7 クロスバック 全 15 枚 拡大写真

デザインのためのデザイン


オールドファンにはシトロエンブランドの上級モデルとして親しまれたのがDS。今はシトロエンからは独立したプレミアムブランドとしてPSAグループのイメージリーダーの役割を果たしている。

そのDSブランドのフラッグシップにして、初のSUVとなる『DS 7 クロスバック』がデビューした。ボディサイズは全長(4590mm)×全幅(1895mm)×全高(1635mm)。ホイールベースは2730mmとなる。プラットフォームはプジョー『308』などと同じものを使っている。

【画像全15枚】

しかしながら、DS 7はプジョーやシトロエンとは一線を画する圧倒的存在感を放ち、ブランドのフラッグシップたる堂々としたクルマに仕上げられている。ボディサイズなどもそうなのだが、なによりもその装飾の多さはほかに類を見ないものだ。

グリルをはじめ、ヘッドライト、リヤコンビランプ、室内のスイッチ類、エンジンのヘッドカバーに至るまで菱形の切り子模様が配され、光り輝いている。エアコンのルーバー、ドアやシートのステッチ、イグニッションオフ時には収納されオンと同時に展開して姿を見せるアナログ時計…とあらゆる部分が装飾されている。それらは機能のためのデザインではなく、デザインのためのデザインであることが特徴的なのだ。

ハイドロニューマチックを彷彿とさせる


かつて、シトロエンはハイドロニューマチックと呼ばれる油圧・空気圧式サスペンションシステムを採用していた。このハイドロニューマチックは独特の乗り味を持ったシステムで、ゆったりとした乗り味が唯一無二の存在であった。DS 7 クロスバックはドライブモードという減衰力を切り替えるシステムを採用し、この乗り味に近いものを実現している。走行モードはスポーツ、ノーマル、コンフォート、エコの4モードが用意され、このうちコンフォートがもっとも柔らかい。

コンフォートモードを選ぶとフロントに取り付けられたカメラが路面の状況をスキャン。路面の凹凸を感知、自動的に減衰力を調整する。この際の乗り心地はかつてのハイドロニューマチックに似たもので、ゆったりとしてフラットなもの。ドイツ車的なはっきりして、引き締められた足まわりが増えている現代においては貴重な存在であるとともに、ひとつのアンチテーゼであるかもしれない。もちろん、スポーツモードを選べばかなり硬くなり、ハイスピードコーナリングも十分にこなしてくれる。

マッチングがいいディーゼルターボ


エンジンは177馬力/400Nmの2リットルのディーゼルターボと225馬力/300Nmの1.6リットルガソリンターボの2種がラインアップされる。どちらも低速トルクがしっかりしたタイプのエンジンフィールだが、どちらかと言えばディーゼルターボのほうがDS 7とのマッチングがいい。それはサスペンションのゆったりとした感じが、ガソリンターボのじゃじゃ馬的なパワーフィールよりも、アイドリングからググッと持ち上がるトルクフィールが似合うからだ。

独特な乗り心地と十分なエンジントルクを備え、SUVとして求められるユーティリティもしっかりと備えるDS 7 クロスバックだが、このクルマはSUVとしてはではなく、キラキラとした独特の美しさを放つフランス車として選ばれるのだろう。このキラキラ感は唯一無二の存在なのだから。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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