【DS 7 クロスバック 試乗】一途にモード系、走りにはソツなし…島崎七生人

試乗記 輸入車
DS 7 クロスバック グランシックBlueHDi
DS 7 クロスバック グランシックBlueHDi 全 12 枚 拡大写真

コダワリを持つユーザーの琴線に触れる


始動ボタンの押下で、B.R.Mのアナログ時計がサンダーバードさらがらのギミックでシズシズと姿を現した。「いったい車両本体価格の何分の1か!?」と思ったりして。

過去にメルセデスのIWC、キャデラックのBVLGARIなど例があったが、時計にも一家言あるような、そういうコダワリをもつユーザーの琴線に触れるクルマ……という訳だ。

【画像全12枚】

個人的には、まだシトロエンだった頃の最初の『DS 5』は好きだった。“華々しくなくていいが、ちょっと変わったクルマに乗りたい”ユーザー心理に合致した外観、内装だったと思う。その後フェイスリフトでややメイクがキツくなってしまい、ちょっとね……と。しかし『DS 7 クロスバック』は、DSとして時系列的に新しいことと、まっさらの新型、新セグメントであることとで、再び、最初のDS 5を迎えた時と同じ距離感で接することができる気がした。

“モード系”のクルマ


平たくいうと“モード系”のクルマだ。であるからには内・外観のデザインは、最新かつ独創的でなければならない。その点での仕上がりぶりは十分だ。高級機械式時計のダイヤルなどに見られる“ギョシェ彫り模様”にインスパイアされた文様はセンターコンソールなどいたるところに。

しかも加飾パネルだけでなくスイッチ自体までも徹底してデザインされている点は感心するばかり、走行モード切り替えスイッチなど、おそらく“世界1スタイリッシュな走行モードスイッチ”であるはずだ。高級ホームオーディオでも、ここまでスカしたデザインで商品化している例は、そうそう思いつかない。

ただし化粧品のパッケージど同じで“洒落のめす”の目的が一途だから、決してハズしていずキマッている。レポーター自身がクルマに似合っているかどうかは別として、試乗の際もクルマに触れた瞬間、「DSならではのラグジュアリーな世界観の演出ね」と馴染めたし、素直に理解できた。レザーシートや質感が吟味されたインパネ、ドアトリムの表皮、触感も高級感があり、無垢の樹脂の露出が少ない分、室内で立つ音の減衰が早く静けさが支配する空間は高級車らしく落ち着く。

現代のSUVらしい走り


走りは現代のSUVらしいソツのないもの。乗り味はヤワでもなくハードさが気になることもなく、遠くに路面の凹凸をいなす“シトロエン風味”も感じる。

ガソリン車とユーロ6.2もクリアするディーゼルターボとでは、あてがわれた試乗車同士の車重の差(130kg)の作用で、較べると身のこなしはディーゼルが重厚でガソリン車はそれより軽やかだが、キャラクターとして大差は感じない。動力性能も同様で、ガソリン車は回すとキレの良さが味わえ、ディーゼルターボは浅いアクセル操作でも常に余裕のある走りが手に入る……そんな風だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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