VW、次世代の燃料電池車向け技術を開発…大幅なコスト削減が可能に

フォルクスワーゲン ゴルフ・スポーツワーゲン・ハイモーション
フォルクスワーゲン ゴルフ・スポーツワーゲン・ハイモーション全 3 枚
フォルクスワーゲン(Volkswagen)は9月27日、次世代の燃料電池車向け技術を、米国のスタンフォード大学と共同開発した、と発表した。

フォルクスワーゲンの燃料電池コンセプトカーには、2014年に発表された『ゴルフ スポーツワーゲン ハイモーション』がある。同車は、『ゴルフ ヴァリアント』がベース。車両の後部床下に、カーボンファイバー製の水素タンクを4個搭載。フロントに置かれる燃料電池スタックで、水素と酸素を結合させて電気を作り出し、モーターにより前輪を駆動する。このモーターは、ゴルフのEV、『e-ゴルフ』用を使用。

車両の後部に、リチウムイオンバッテリーを搭載。減速時のエネルギーを回生して蓄電。この電力を、燃料電池システムの起動時に使用する。また、急加速が必要な際、モーターに電力を送り、加速をアシストする、0~100km/h加速は10秒の性能。水素をフル充填した状態で、最大約500km走行できる。水素の充填に要する時間は、約3分だった。

フォルクスワーゲンは今回、次世代の燃料電池車技術を米国のスタンフォード大学と共同開発。両者は、貴金属のプラチナの使用量を減らした次世代の燃料電池触媒を開発することに成功した。プラチナは、燃料電池の触媒として必要だが、両者は非常に薄いプラチナ粒子を生成する技術を開発。これにより、プラチナの使用量を現行よりも減らすことを可能にした。また、新開発の燃料電池触媒は、現行比で効率を3倍に引き上げているという。

燃料電池車の普及が進まない最大の要因のひとつが、車両価格の高さ。フォルクスワーゲンは、性能向上と大幅なコスト削減を可能にする次世代の燃料電池車の実用化を目指す、としている。

《森脇稔》

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