ポルシェ 911スピードスター、2019年の復活が決定…パリモーターショー2018

コンセプトカーの市販車を決定

シャシーは911GT3がベース

ヘリテージデザインパッケージを導入する最初のモデル

ポルシェ 911スピードスターコンセプト(パリモーターショー2018)
ポルシェ 911スピードスターコンセプト(パリモーターショー2018)全 8 枚
◆コンセプトカーの市販車を決定

ポルシェは10月2日、フランスで開幕したパリモーターショー2018において、先に発表した『911スピードスターコンセプト』(Porsche 911 Speedster Concept)を市販化すると発表し、同車の最新のコンセプトカーを初公開した。

911スピードスターコンセプトは2018年6月、ポルシェの創業70周年を記念するコンセプトカーとして発表。その後、ポルシェは市販化に向けての検討を重ねてきた。そして今回、同車の市販化を決定。2019年前半から、世界限定1948台を生産する計画を発表した。限定生産台数の1948台は、1948年6月に『356ロードスター』の最初の1台が登録されたことに由来する。

◆シャシーは911GT3がベース

外観は、傾斜を強めたフロントウインドウと短いウインドウフレーム、これに合わせて縮小されたサイドウインドウなどが特徴。これは、ポルシェ「356 1500スピードスター」などの過去のモデルを連想させるもの。
ポルシェ 911スピードスターコンセプト
フロントシート後方では、1988年の「911スピードスター」以来の伝統、「ダブルバブル」のカーボンファイバー製リアカバーが、ロールオーバープロテクション構造を覆うデザインを採用する。ダブルバブルの間の対照的な2つのブラックスラットには空力機能を付加し、透明なプレキシガラス製ディフレクターが装着された。

911スピードスターコンセプトには、オリジナルモデル同様、ソフトトップの代わりに軽量なトノカバーを装備。駐車時に車内を雨から守るこのカバーは、8個のファスナーで取り付ける。フルバケットシートはカーボンファイバー製。ナビゲーションシステムやオーディオ、エアコンは未装備となり、軽量化を追求する。
ポルシェ 911スピードスターコンセプト
ワイドボディは「911カレラ4カブリオレ」がベース。フェンダーやフロントフード、リアカバーには、軽量なカーボンファイバー複合素材を使用する。ワイドなBピラーと車体後部には、圧延金メッキされた「Speedster」のレタリングが配される。

シャシーは911シリーズの自然吸気エンジン搭載の最高峰モデル、「911GT3」がベース。チタン製エグゾーストシステムも採用する。トランスミッションは6速MT。水平対向6気筒ガソリンエンジンは、最大出力500psを引き出し、エンジンの最高回転数は9000rpmに到達する。

◆ヘリテージデザインパッケージを導入する最初のモデル

なお、新型911スピードスターは、新開発の「ヘリテージデザインパッケージ」を導入する最初のモデルになる予定。「ポルシェエクスクルーシブ」が手がける専用のアクセサリーラインは、「911」のパーソナライゼーションを、さらに高度なレベルへ高めるという。

最新の911スピードスターコンセプトのヘリテージデザインパッケージでは、鮮やかな赤いボディカラーをはじめ、足元にはセンターロックの21インチクロススポークホイールを装着する。このホイールのデザインは、レーシングカーの「911RSR」や「GT3R」のデザインに近づけた。ヘッドライト内部のデイタイムランニングライトは、レーシングカーのように赤く発光する。
ポルシェ 911スピードスターコンセプト
また、ドアミラーはクラシックな“タルボ型”の専用デザイン。このドアミラーとボンネット中央の燃料タンクキャップは、ブラッククロム&プラチナ仕上げとした。インテリアは、赤いアクセントが添えられたブラックレザーを使用している。

ポルシェは2010年までに、8つのシリーズとスペシャルモデルを「スピードスター」の名称で生産した。1957年には「356A 1500GSカレラGTスピードスター」、1988年には初代911スピードスターを生産。ポルシェは2010年、356台を限定生産した「タイプ997」の911スピードスターをもって、スピードスターモデルの生産を中断。2019年前半から生産する最新の911スピードスターは、およそ9年ぶりの復活となる。

《森脇稔》

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