和製スーパーEV『OWL』、4億円超で販売へ「商談は20件以上」…パリモーターショー2018

パリモーターショーのスーパーカーコーナーの一角に出展
パリモーターショーのスーパーカーコーナーの一角に出展全 9 枚

昨年のフランクフルトショーに突如姿を見せて世間を驚かせた和製EVスーパーカー・アスパーク『OWL(アウル)』が、ここパリ・モーターショー2018の会場で再びその姿を現した。発売元のアスパークにその後の開発状況を取材した。

OWLのボディは、カーボンファイバー製ボディとマグネシウム鍛造ホイールを組み合わせることで車両重量はわずか850kgを実現。これを最高出力860kwと最大トルク885Nmを発生する電気モーターが4輪を駆動して最高速度は280km/hに達する。その価格は正式に3.1ミリオンユーロに決まった。日本円に換算すると軽く4億円を超え、限定50台の販売。まさに車両スペックも価格もモンスター級のマシンである。

質問に答えてくれたのは同社R&D事業部で電気自動車開発を担当する川中清之氏だ。

「開発は順調に進んでいて、開発センターを栃木から東京都内に移したことで、車両開発にスピード感が上がっている。正式な注文はまだ入っていないが、2019年春には試作車を完成させ、欧州での型式認定を取得。その後、2020年夏には一台目を納車させる予定になっている。今のところスケジュール通りだ」(川中氏)

アスパークR&D事業部でEVを担当する川中清之氏アスパークR&D事業部でEVを担当する川中清之氏

発表されたボディサイズは、全長:4830mm/全幅:1935mm/全高:990mm/ホイールベース:2757mm/トレッド(前):1603mm/トレッド(後):1552mm。ただ、川中氏によれば型式認定を取る際にそのスペックに若干の変更が生まれる見込みだという。

「ボディラインは基本的に変わっていないが、型式認定を取得するにあたって、安全基準も考慮して一回り大きくなる可能性もある。加えて、空力向上を狙ってテール形状を若干変更し、全体としてはより洗練されたデザインになる予定だ」(川中氏)

ホワイトを基調としたOWLのインテリアホワイトを基調としたOWLのインテリア

OWL最大の売りとなっている0-100km/h加速もさらに高められた。

「開発当初は2秒を目指していたが、より強いインパクトを与えるために1.99秒に改良を加えた」(川中氏)。2月のテスト走行では最初に1.89秒を記録し、2回目でも1.91秒を記録。様々なシミュレーションの結果、この数値で正式決定したようだ。また、EVであることの課題としてあった航続距離も300kmを超え始めている。まだ最高速度との関係でどうなるかはわからないが、この辺りの開発も並行行して行っているという。

電子バックミラーなど先進装備も満載する電子バックミラーなど先進装備も満載する

受注状況はどうか。前回のフランクフルトショー2017へ出展により20件以上の商談が進行中という中、川中氏は「海外の富裕層をターゲットにしているのは今も変わらない。今回の出展で問い合わせもさらに増えている」と話す。ただ、今後はショーへの出展を控えて営業活動に専念していきたいとも話した。現状では資金面も含め、多くの課題はあるようだが、日本発の夢の実現に向け、その過程を見守っていきたい。

《会田肇》

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