【MaaSベンチャー】ねらいは遊休スペースの活用で人の導線をつくること…軒先 西浦明子 代表取締役[インタビュー]

軒先 代表取締役 西浦明子氏
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いまでこそシェアリングビジネスに注目する企業が多いが、10年前に短期のスペースレンタルを始めた会社がある。「軒先」は、臨時オフィスやポップアップショップを借りられるサービスから始まり、現在は駐車場のマッチングサービスへと広がっている。

もともとは、2008年、軒先の代表取締役 西浦明子氏が、個人事業として始めたサービスだ。輸入した海外雑貨を販売する場所を探していたときに思いついたアイデアが発端だという。始めてみると、ニーズに手応えを感じ2009年に法人化した。

西浦氏が登壇する10月30日開催「月刊MaaSベンチャー」特別セミナーの講演に合わせて、同社の事業内容や戦略について聞いた。

―まず、軒先の事業内容から教えてください。

西浦氏(以下同):弊社のビジネスは、ひとことでいうと通常の不動産屋が扱わないようなスペースを収益化するというものです。現在、主な事業は2つあります。ひとつは「軒先ビジネス」といい、オフィスや倉庫、広場などスペースを持っている人と、1日単位の短期でちょっとした場所が必要な人をマッチングします。キャンペーンや販促イベントの会場、キッチンカーを呼んだりといったニーズに対応します。

もうひとつは2012年に始めた「軒先パーキング」です。軒先ビジネスと同様なスキームで、場所のオーナーとドライバーをマッチングビジネスするです。貸す側(オーナー)は自宅の庭・駐車場だったり、マンションの管理組合だったり、月ぎめ駐車場やコインパークのオーナーなどさまざまです。軒先ビジネスはB2Bの形態がほとんどですが、軒先パーキングはB2C、C2Cとなります。

―自宅のスペースをシェアするだけでなく、駐車場オーナーなど事業者も利用しているんですね。どのような人が軒先パーキングに駐車場提供者として登録するのでしょうか。

土地を持っている人が駐車場を始める場合、月極駐車場がもっとも始めやすい形態です。工事や設備もあまり必要なく始められます。ただし、収益は台数と料金でほぼ決まってしまい、常に契約が埋まるとは限りません。コインパークは、回転率が高く収益性は高いですが、場所によっては曜日、季節などでムラもあります。

月ぎめ駐車場で次の契約が決まるまでの間、軒先パーキングを利用することでスペースを無駄にしないで済みます。コインパークも安定した回転率を維持できることになります。マンションも昔と違って、都市部では用意した駐車場が埋まらないことが多く、管理組合も設備の維持が難しくなってきています。規約を変えて、シェアリングを始めるマンションが増えています。

10月30日開催「月刊MaaSベンチャー」はこちら。

―シェアリングやマッチングサービスというと、どうしても利用マナーやトラブルの問題があるかと思います。軒先パーキングではどうでしょうか。

利用者には車種やナンバープレート、免許証の情報を登録してもらっています。また、事故や借りた施設等への損害は、自分の車の保険を使うことにも同意をしてもらいます。利用者のマナーはむしろよいですね。年間何十万件という利用があるので、物損事故は皆無ではありませんが、ぶつけたりしても、オーナーから連絡がくるより、先に利用者のほうが連絡してくれています。

―利用料金はどのようにして決めているのでしょうか。

駐車場周辺の相場、これまでの蓄積データなどから決めた料金リストがあります。同じ場所でも、時間や曜日以外に、イベントの有無などで値段は大きく変わります。たとえば、スタジアムやレジャー施設の近くは、コンサートがあれば駐車料金を高く設定できます。コンサートやプロの試合でも、アーティストや対戦カードによっても変わります。社内では「人的ダイナミックプライシング」と呼んでいますが、目利きスタッフがこれらの情報も参考に決めています。

例えば、ジャニーズのコンサートがあれば、周辺の土地をGoogleマップの航空写真で調べて、その地区に「期間中、駐車場をレンタルしませんか」というポスティングをしたりします。事務所側は公共交通を利用してと呼びかけるのですが、周辺のホテルも満杯となり、どうしても車で移動してくる人がいます。人気グループのコンサートなら、1日2万円~25000円でも予約が入ります。単純計算ですが、コンサートが4日間あれば、個人が1台分のスペースを提供するだけで10万円くらいの収入が見込めます。

イベントの多い湯沢市では、自治体と市民が参加する形で提携することができました。

―今後の事業展開について教えてください。

軒先の事業ミッションは、遊休スペースを活用することで人の導線を作ることです。もともとは商業スペースのマッチングから始まり、駐車場へと広げてきましたが、次はレストランなど店舗のシェアリングビジネスも考えています。

具体性のある話では、ゲートやシャッターなどがある駐車場にも対応するシステムとアプリをリリースします。既存の設備にIoTデバイスを取り付けるだけで、利用者はスマートフォンからゲートの開閉などができるようになります。また、太陽光パネルの事業者と提携して、駐車場とEVの充電ステーションを展開できないかとも考えています。

詳細は、10月30日開催「月刊MaaSベンチャー」特別セミナーでお伝えいたします。

《中尾真二》

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